虹の贈り物

 そして直後、シャトルは地面に接触した。丘に生えている木々を次々となぎ倒し、何度かバウンドを繰り返しながら、何とか分解することなく停止した。

 アカバとイリウスは対衝撃姿勢の座席のおかげで大怪我や骨折をすることはなかったが、二人は座席に座ったまま気を失ってしまった。

 あたりにはバーニアの噴射炎と摩擦熱で焼けた船体に触れた木々の焦げた煙と匂いが充満した。その着陸は、最悪のものであった。

 今回荷物を全く積んでおらず、機体が軽かったせいと、森の肥えた柔らかい土と、木々をなぎ倒して速度が落ちたせいで何とか分解はさけられたといった状態だった。

 また幸運なことに、直前に森に降った雨のおかげで炎に包まれることもなかった。最悪の着陸とはいえ、手計算と勘でやった着陸としては上々のものと言えた。
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