虹の贈り物

 しかし、いずれの案にしろ、植民を許可してもらうか、管理プログラムをコピーさせてもらうかするためには、誰かが植民星CDF294に行く必要があった。そのために、アカバとイリウスが志願し、あまりにも分の悪い賭けに臨んだのだ。

 彼等には簡単な天体望遠鏡と電卓程度の計算機しかなかった。着陸の軌道計算には10人のチームが1ヵ月を費やした。そしてそれはコンピューターを使うことなく、宇宙では貴重な紙に書き記され、何センチもの厚さのノートにされた。しかしその短い賭けもそろそろ結果が出ようとしていた。
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