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ある家政婦の求人に応募していたらの続き
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扉を開いたら、そこはポ〇ポムプリンの山でした。家賃は、月お幾ら万円なのかしら? そう聞いてしまいそうになる、高層マンションのある一室。間取りは2LDKだと静かに微笑む、毒々しい桐〇一馬さんこと、「赤木研一郎」さんは、「どうぞ」と私をエスコートする。
「お邪魔します」と、引き攣り笑いでパンプスを脱ぐ。
念の為にと、就活生時代に着たリクルートスーツでやって来た私を「赤木」さんは「真面目な方ですね」と、微笑みを絶やさないけれど。
見た事もない派手な模様の柄シャツを纏い、こちらが驚く程紳士的で優しい「赤木研一郎」さんは「コーヒーと紅茶、どちらにされますか?」とこれから私の雇い主になると言うのになんとご丁寧にも、小娘の私にお茶までお淹れしてくれると言うのです。
「お気遣い頂き、ありがとうございます…」
「いえ、そちらにかけてください」
某ハンバーガーチェーン店の人気キャラクターよろしく、笑いが凝り固まりつつも、私はポ〇ポムプリンの愛らしいクッションが敷かれた椅子に座りました。
手際良く執事のようにお紅茶を淹れる、柄シャツのYAKUZAと私。
部屋中を彩るたくさんのポ〇ポムプリン。まあ! なんてミスマッチなのかしら! アテクシはす〇っコぐらし派ですわよ、おほほほと、二昔、いや三昔は前のお嬢様のような口振りになりかける。
「お待たせしました、裴さん」
「まあ、わざわざレモンまで」
どうして私が、ミルクよりレモンティーの方が好む事を知っているのかしら? ああ、ご面接の時に、私がアナタ様をお待ちしている間に、レモンティーのレモンまで齧るいやしい姿を、ご覧になっていたのね。そんな事までしっかり確認しているだなんて、さすがはKUMICHOでございますわ。
抜け目の無さにまた背筋が凍りそうになりつつ、もはや能面のような笑顔で、温かいお紅茶にレモンの輪切りを小さなトングで摘み、ゆっくりティーカップに浸す。レモンのスライスと、お茶用の小さなトングまでご用紙してくださるだなんて、本当に「赤木研一郎」さんはジェントルマンだわ。でもYAKUZAが住むマンションの一室に、ポ〇ポムプリンの山だけでなく。こんなオシャンなティーセットまであるだなんてと、私はお高そうなティーカップの、お高そうなお紅茶を飲みました。
「オレはコーヒーが好きなんですが、カノジョは紅茶が大好きでね。すっかり、紅茶の淹れ方まで覚えてしまいましたよ」
「カノジョ?」
「ええ。アナタにお願いしたいのは、オレの恋人の世話なんです」
恋人? 情婦か愛人でしょう、KUMICHO。アテクシだって、そんな事も分からないぐらい、小娘でも生娘でもありませんわよ。「赤木」さんは意外にもロマンチストなのかしら? 笑顔で首を傾げる私に、「アナタに、紹介します」と「赤木研一郎」さんは歩いて、ある部屋の鍵を開きました。
カチャカチャとなる鳴る音を背後に、私はギチギチ音が出そうな程、首を捻ります。
エ〇ソシストかww と自分で自分に、ツッコミを入れたくなりました。
振り向けば、派手な柄シャツとスジモン丸出しに髪をセットした「赤木研一郎」さんに肩を抱かれた、ポ〇ポムプリンの大きなぬいぐるみを抱きかかえた、白いワンピース姿の黒髪ロングヘアーの美少女。
美少女にしては、KUMICHOよりも背が高い180cmはある美少女…? が、俯いた顔を私に向ける。
なんと、顔は玉〇鉄二。もういやですわ、KUMICHO。アナタ様の御性癖は、いったいどうなさっているの?
真っ黒でツヤツヤの、背中まで届くロングヘアーは、ウィッグではなさそうだし。天使のキューティクルがキラキラ輝いて、肌もそこらの女子より真っ白で滑らかな陶器のお肌。
か細い華奢な身体からスラリと伸びた御御足は、カモシカのような曲線美。そしてトドメの、溢れる透明感。
なんて美少女なのかしら!
お顔が、繊細な顔立ちとは言え、超イケメン俳優・玉〇鉄二さんではなければ。
アテクシはタイプではありませんが、玉〇鉄二さんは万人受けの正統派美男子だと思いますわ。
でもアテクシ、美少女に改造するには、多少と言うかかなり無理が有ると思いますの。
時が止まったかのように硬直する私を見て清純派美少女風に魔改造された、私とそう年齢は変わらないであろう青年は、満面の笑みで笑いました。その屈託の無い笑顔の眩しさに圧倒される私に駆け寄る、ポ〇ポムプリンを抱えた謎の美少女(笑)。透明感に焼き尽くされますわ! と、両腕で視界を庇いたいぐらいの私に、
「お姉ちゃん、初めまして!」
と、抱き着いてくる。
「封美。今日から家政婦として働いてくださる、裴さんですよ」
「裴、さん?」
「そう、裴さんです。裴さん、こちらは封美です。どうか、宜しくお願いします」
「あ、あははは…宜しくお願い致しますわ、封美さん…」
封美(ふみ)さんだなんて、また古風なお名前様で素敵ですわ。そうお世辞も紡げない程の衝撃の連続に、いっそこのまま逃げ出したい私に、五十人の福〇諭吉さんが、頭の中で詰め寄ってくる。
この魔改造された玉〇鉄二の世話をするだけで、毎月五十人の福〇諭吉さんが、私を待っている。私には、私しか頼る術のないか弱い母を抱えている。
たらこ~ たらこ~ と、あのCMの様に大軍で列をなして詰め寄る、五十人の福沢諭吉さん。
「お姉ちゃん、お料理は得意? 封美に、オレンジ蜂蜜チキン、作ってくれるぅ?」
「はい、もうなんなりと!」
オレンジで蜂蜜なチキンだなんて、アテクシ食べた事もないざます。
そんなオシャオシャオシャンティーな食べ物、ク〇クパッドでも調べられるのかしら? 不安はあれど、Yesとハイしか求めていないKUMICHOを前にしたら、私は唇を裂けるぐらいに吊り上げ、首を首振り人形のように、縦に振るしかありませんでした。
「少しワガママなところがありますが、封美は良い子なので…裴さん。封美の好きな料理や化粧品のメモは、渡しておきますので」
「は、はいい…」
事細かくみっちり記入されたポ〇ポムプリン柄のメモを、KUMICHOの胸ポケットから手渡され、私はカッ! と目を見開き、その内容を脳に叩き込む。好物はオレンジ蜂蜜チキンに、甘いタピオカ入のミルクティー。ふわふわパンケーキに、ピスタチオのジェラート。ベーコンとほうれん草のキッシュ。愛用するボディクリームは、ロ〇ラ・メルシエのバニラの香り。顔用のローションとクリームは、これまた聞いた事もないお高そうなブランドの品。女の子より女子力MAXな男の娘の、長い黒髪を一房手に取り、口付ける「赤木研一郎」さん。まさか清純派な美少女ならぬ美少年を囲っているなんて。拗れ過ぎているオンナの趣味に唖然とするしかない。
YAKUZAなロリコンがKUMICHOで、マンションに住まわせている愛人は、清純派な男の娘。
か細い左手には、幾つもの注射痕。
密告するなり下手を打ったら、東京湾に沈められるか、コンクリートを練ったドラム缶に詰められる。ビンビンに感じる恐怖に、冷や汗までかきながら、「あと、これを」と「赤木」さんがジャケットの懐から取り出した厚い膨らみの封筒に、私はまた眼球が飛び出しそうになりました。
「最初に、渡しておこうかと思いまして」
「こ、これは…?」
「就職祝いも、兼ねてですよ。あとウチは、給料は直接手渡しなんですよ」
そりゃあヤの付く自由業の方々は、クレジットカードも銀行口座も作れませんものね。納得致しましたが、でもこの厚過ぎる膨らみは、所謂口止め料かしら?
可愛いお姉さんのお友達が出来たと大はしゃぎの美少女(笑)は、表情筋がピクピク痙攣している私の腕を、「プリンを食べよう!」と引っ張ってくる。
「カボチャプリンとチョコプリンがあるから、お姉ちゃんと封美ではんぶんこね!」
幼い子供の様に屈託無く笑う美少女(笑)の首には、青黒く腫れた歯形が散らばっていて。昔付き合ったDV男を思い出し、更にぎこちなく固まってしまう。
「封美、おやつは一日一回までですよ」
どこまでも優しく、紳士的な「赤木研一郎」さん。あのDVメンヘラ男も、表面上だけはとても優しい人だったなと、忘れたい過去の傷が抉られる。
「お邪魔します」と、引き攣り笑いでパンプスを脱ぐ。
念の為にと、就活生時代に着たリクルートスーツでやって来た私を「赤木」さんは「真面目な方ですね」と、微笑みを絶やさないけれど。
見た事もない派手な模様の柄シャツを纏い、こちらが驚く程紳士的で優しい「赤木研一郎」さんは「コーヒーと紅茶、どちらにされますか?」とこれから私の雇い主になると言うのになんとご丁寧にも、小娘の私にお茶までお淹れしてくれると言うのです。
「お気遣い頂き、ありがとうございます…」
「いえ、そちらにかけてください」
某ハンバーガーチェーン店の人気キャラクターよろしく、笑いが凝り固まりつつも、私はポ〇ポムプリンの愛らしいクッションが敷かれた椅子に座りました。
手際良く執事のようにお紅茶を淹れる、柄シャツのYAKUZAと私。
部屋中を彩るたくさんのポ〇ポムプリン。まあ! なんてミスマッチなのかしら! アテクシはす〇っコぐらし派ですわよ、おほほほと、二昔、いや三昔は前のお嬢様のような口振りになりかける。
「お待たせしました、裴さん」
「まあ、わざわざレモンまで」
どうして私が、ミルクよりレモンティーの方が好む事を知っているのかしら? ああ、ご面接の時に、私がアナタ様をお待ちしている間に、レモンティーのレモンまで齧るいやしい姿を、ご覧になっていたのね。そんな事までしっかり確認しているだなんて、さすがはKUMICHOでございますわ。
抜け目の無さにまた背筋が凍りそうになりつつ、もはや能面のような笑顔で、温かいお紅茶にレモンの輪切りを小さなトングで摘み、ゆっくりティーカップに浸す。レモンのスライスと、お茶用の小さなトングまでご用紙してくださるだなんて、本当に「赤木研一郎」さんはジェントルマンだわ。でもYAKUZAが住むマンションの一室に、ポ〇ポムプリンの山だけでなく。こんなオシャンなティーセットまであるだなんてと、私はお高そうなティーカップの、お高そうなお紅茶を飲みました。
「オレはコーヒーが好きなんですが、カノジョは紅茶が大好きでね。すっかり、紅茶の淹れ方まで覚えてしまいましたよ」
「カノジョ?」
「ええ。アナタにお願いしたいのは、オレの恋人の世話なんです」
恋人? 情婦か愛人でしょう、KUMICHO。アテクシだって、そんな事も分からないぐらい、小娘でも生娘でもありませんわよ。「赤木」さんは意外にもロマンチストなのかしら? 笑顔で首を傾げる私に、「アナタに、紹介します」と「赤木研一郎」さんは歩いて、ある部屋の鍵を開きました。
カチャカチャとなる鳴る音を背後に、私はギチギチ音が出そうな程、首を捻ります。
エ〇ソシストかww と自分で自分に、ツッコミを入れたくなりました。
振り向けば、派手な柄シャツとスジモン丸出しに髪をセットした「赤木研一郎」さんに肩を抱かれた、ポ〇ポムプリンの大きなぬいぐるみを抱きかかえた、白いワンピース姿の黒髪ロングヘアーの美少女。
美少女にしては、KUMICHOよりも背が高い180cmはある美少女…? が、俯いた顔を私に向ける。
なんと、顔は玉〇鉄二。もういやですわ、KUMICHO。アナタ様の御性癖は、いったいどうなさっているの?
真っ黒でツヤツヤの、背中まで届くロングヘアーは、ウィッグではなさそうだし。天使のキューティクルがキラキラ輝いて、肌もそこらの女子より真っ白で滑らかな陶器のお肌。
か細い華奢な身体からスラリと伸びた御御足は、カモシカのような曲線美。そしてトドメの、溢れる透明感。
なんて美少女なのかしら!
お顔が、繊細な顔立ちとは言え、超イケメン俳優・玉〇鉄二さんではなければ。
アテクシはタイプではありませんが、玉〇鉄二さんは万人受けの正統派美男子だと思いますわ。
でもアテクシ、美少女に改造するには、多少と言うかかなり無理が有ると思いますの。
時が止まったかのように硬直する私を見て清純派美少女風に魔改造された、私とそう年齢は変わらないであろう青年は、満面の笑みで笑いました。その屈託の無い笑顔の眩しさに圧倒される私に駆け寄る、ポ〇ポムプリンを抱えた謎の美少女(笑)。透明感に焼き尽くされますわ! と、両腕で視界を庇いたいぐらいの私に、
「お姉ちゃん、初めまして!」
と、抱き着いてくる。
「封美。今日から家政婦として働いてくださる、裴さんですよ」
「裴、さん?」
「そう、裴さんです。裴さん、こちらは封美です。どうか、宜しくお願いします」
「あ、あははは…宜しくお願い致しますわ、封美さん…」
封美(ふみ)さんだなんて、また古風なお名前様で素敵ですわ。そうお世辞も紡げない程の衝撃の連続に、いっそこのまま逃げ出したい私に、五十人の福〇諭吉さんが、頭の中で詰め寄ってくる。
この魔改造された玉〇鉄二の世話をするだけで、毎月五十人の福〇諭吉さんが、私を待っている。私には、私しか頼る術のないか弱い母を抱えている。
たらこ~ たらこ~ と、あのCMの様に大軍で列をなして詰め寄る、五十人の福沢諭吉さん。
「お姉ちゃん、お料理は得意? 封美に、オレンジ蜂蜜チキン、作ってくれるぅ?」
「はい、もうなんなりと!」
オレンジで蜂蜜なチキンだなんて、アテクシ食べた事もないざます。
そんなオシャオシャオシャンティーな食べ物、ク〇クパッドでも調べられるのかしら? 不安はあれど、Yesとハイしか求めていないKUMICHOを前にしたら、私は唇を裂けるぐらいに吊り上げ、首を首振り人形のように、縦に振るしかありませんでした。
「少しワガママなところがありますが、封美は良い子なので…裴さん。封美の好きな料理や化粧品のメモは、渡しておきますので」
「は、はいい…」
事細かくみっちり記入されたポ〇ポムプリン柄のメモを、KUMICHOの胸ポケットから手渡され、私はカッ! と目を見開き、その内容を脳に叩き込む。好物はオレンジ蜂蜜チキンに、甘いタピオカ入のミルクティー。ふわふわパンケーキに、ピスタチオのジェラート。ベーコンとほうれん草のキッシュ。愛用するボディクリームは、ロ〇ラ・メルシエのバニラの香り。顔用のローションとクリームは、これまた聞いた事もないお高そうなブランドの品。女の子より女子力MAXな男の娘の、長い黒髪を一房手に取り、口付ける「赤木研一郎」さん。まさか清純派な美少女ならぬ美少年を囲っているなんて。拗れ過ぎているオンナの趣味に唖然とするしかない。
YAKUZAなロリコンがKUMICHOで、マンションに住まわせている愛人は、清純派な男の娘。
か細い左手には、幾つもの注射痕。
密告するなり下手を打ったら、東京湾に沈められるか、コンクリートを練ったドラム缶に詰められる。ビンビンに感じる恐怖に、冷や汗までかきながら、「あと、これを」と「赤木」さんがジャケットの懐から取り出した厚い膨らみの封筒に、私はまた眼球が飛び出しそうになりました。
「最初に、渡しておこうかと思いまして」
「こ、これは…?」
「就職祝いも、兼ねてですよ。あとウチは、給料は直接手渡しなんですよ」
そりゃあヤの付く自由業の方々は、クレジットカードも銀行口座も作れませんものね。納得致しましたが、でもこの厚過ぎる膨らみは、所謂口止め料かしら?
可愛いお姉さんのお友達が出来たと大はしゃぎの美少女(笑)は、表情筋がピクピク痙攣している私の腕を、「プリンを食べよう!」と引っ張ってくる。
「カボチャプリンとチョコプリンがあるから、お姉ちゃんと封美ではんぶんこね!」
幼い子供の様に屈託無く笑う美少女(笑)の首には、青黒く腫れた歯形が散らばっていて。昔付き合ったDV男を思い出し、更にぎこちなく固まってしまう。
「封美、おやつは一日一回までですよ」
どこまでも優しく、紳士的な「赤木研一郎」さん。あのDVメンヘラ男も、表面上だけはとても優しい人だったなと、忘れたい過去の傷が抉られる。
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