法正を産んですぐ母は病で亡くなりとっくに父も病で亡くなったため祖父と二人暮らししている法正にとって彼女である蕾実の存在は特別な存在である。
他校の生徒に売られた喧嘩を買って満身創痍となっていたところを介抱されて以来恩義とともにもし自分に母親がいたらという感情ではないが知らずのうちに母の愛情に飢えていたのもあってか瞬く間にのめり込んだ
前の男は相当金持ちだが遊びだったらしく放り出されたとかその前の前の男は病的だったとボカしていたがメンヘラ野郎だったと打ち明けて法正を遠ざけようとしたがそんなことで引き下がるほどいい子ちゃんではない。
将来的に飽きてしまいますよと苦笑していたが結婚を前提とした交際を申し込んだ法正は本気だ。
前の経営者のブルジョワのように遊びでも何でもないのだからましてや蕾実から未来を奪うような束縛男のようになるつもりもない。
父の残した家で同棲もと提案したが断られたが高校を卒業するまで交際が続いていたら同棲するという約束も取り付けた。
どうせ十代の子供の言うことだ忘れてしまうだろうと思っているだろうが口約束だとしても法正は覚えているし守ってもらうつもりである。
踏んだり蹴ったりの人生でも優しさを忘れずに荒野を行く野牛のようにたくましく生きる強さに惹かれたのだから。
確かにお互いに年は五つほど違うが同じハナミズキの花が咲く月と同じ日に生まれた。
彼女が寝ぼけて先を急ぎ過ぎたのと俺が生まれてくるのが一足遅かっただけだと白くむにむにとした大きな乳房の中で微笑んだ。