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蜘蛛の巣
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「あら、虫カゴです?」
「そう、自由研究。食物連鎖と捕食について」
巣を張り巡らせた箱庭の中にもがくルリタテハを同級生の関興がピンセットで放り込む。
銀糸燦めく箱庭の主は黒に朱色の毒々しい色、恐らく海外の蜘蛛だろう誰がどこで手に入れたかは謎だが。
銀糸に絡まり身動きの取れない蝶の肢体をのっそりと鋭い顎で噛みちぎる獰猛な毒蜘蛛。
痛みからか生存本能かジタバタと抵抗する蝶もやがて力を失う。
喰われゆくそれをぼうっと観察する星彩含めた同級生たち。
「なかなかエグいですわね…」
「そうね、生きたまま噛みちぎられるなんて。食物連鎖とはこう言うことなのかもしれない。」
蕾実は少しおののき星彩が呟く。
蜘蛛や爬虫類は好きだが捕食された蝶の光景が蕾実にとって自分のことのように思えてヒヤッとする。
自分のなかではっきりと保健室という巣の主が過る。
褐色の肌、妖しい毒そのものな艶のある低い声、過激なもの言い全てが毒蜘蛛のそれである保健室という箱庭の主
おおよそ保険医らしくも無い彼を思い浮かべる。
「(わざわざ蜘蛛の巣にかかりにいく愚かな羽虫ですわね私…)」
そう思いつつもなぜか毒蜘蛛の住処に足を運ぶ蕾実
そう、喰われるのはわかっていても。
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