「俺が悪いんだって」
嘘、不可抗力だったじゃない
「目先の利益に囚われてた私欲のせいで関平は死んじまったんだ」
目先の利益でものをみてたわけじゃない
知ってるよ、なんで隠してたの？大事なことなのに
「悲しい真実や言い訳を知らせるくらいならひどい死に方をして嫌われた方がいいだろ」
ひどいよ、なんで後からになって知ったんだろう。
一瞬でも封兄者のことを嫌いになったあとで私たちどうやって謝ればいいの？
上庸の民も自軍の兵士も全部疲弊してたこと、それを踏まえて援軍を出すのを躊躇ったこと。

「そして大兄上も父上も負けるはずがないと最後まで信じていたことも」
「死に追いやったのは俺だ、孟達じゃない。俺なんだ。」

【俺は大局でヘマした蛮勇の将、それで良かった】
「真実を知ってどれだけ自分たちが恵まれていたのかを痛感した。」
「親父殿の言う通りやっぱりアホでしたね。魏に降った孟達殿と内通していた兵士がわざわざ真実を書き残して関家に渡したもんですから」
「詰めが甘いんだって…兄者そういうとこだぞ」
関平の弟と悪党の息子がため息に似たつぶやきをこぼし張家の長男がむせび泣く。
「下手すぎるんだよ隠し事が…」

「封兄者を疑い、憎んだことをとても恥ずべきことだと思った」
関興がぼやく、関索と鮑三は必死に涙をこらえている。

劉封本人はそんなつもり毛頭無かったというのに関係者全員の心に深い傷を負わせたことに変わりない。

「なんで、なんで隠す必要あったわけ…納得できないんですけどこんなの」
「肖像画も法正殿の奥方様が書き残した記述なども全部燃やしたあとなのに」
「…これは私たちであの世まで持って行こう。」
「真実を知られたくないのかもしれない…くやしいけれどそうしましょう」

［兵士の持ってきた上傭での劉封と孟達たちの記述には【あいつらなら大丈夫だろ】【これ以上民を疲弊させるわけにはいかない】などの文章…
全てを察した子世代組、自分だけが嫌われて終わってつもりだった。
個人の意を汲んで後世に残さないことの決意］

【浜崎/あゆみ:scar】