第一章 非日常へ

「でもさっき切磋琢磨しあうって言ってたけど、その能力で戦いあったらけがしちゃったりで危ないんじゃないですか?」

ピチューが不安そうに聞く。

「それに関しては心配はない。我が秘密結社には私が作った乱闘システムがあるからな」

乱闘システム。
校長とリンクさんの説明によると、仮想空間でファイターとして登録されてる人同士で戦えるシステムのようだ。
その空間の中で傷ついても痛みをほぼ感じずダメージとして換算され、勝負がついて空間からでてきても怪我一つない。
空間の中ではファイターの姿は変わるらしい。人間らしい姿のままの人や、獣人の姿になる人や、何の生き物がもとになっているのかわからない姿になる人もいるらしい。

「まあファイターに関する説明はこのぐらいで終わりだ」

説明を聞いて、正直わくわくしている。
秘密結社に入れば憧れていたヒーローになれるかもしれない。
でも、ピチューを危険な目に逢わせるかもしれない。

「決断できたら言ってくれ。別に加入は強制じゃないし、断ってくれてもかまわない。断るのであれば今日の記憶を消す」

「記憶を消すって、どうやってですか?」

漫画やアニメでよく見るように後頭部を殴ったりして記憶を飛ばしたりするのだろうか。

「この秘密結社にそういうのが得意なやつがいるとだけ言っておこう」

余計怖い。




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