風柱と
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「おい」
いつもの師範のぶっきらぼうな声に、重いまぶたを開ける。
「師範・・・?」
「いつまで寝てんだァ。任務に出るぞ」
当たりを見渡せば、夜はどっぷりと老けていた。21時になるところだろうか。
最近は休暇が多かったけれど、今日からはそうはいかない。
「はい!」
起き上がれば布団がずるりと音を立てて落ちた。
夕飯を食べてから記憶がないから、きっとまた寝てしまって、師範がここまでおんぶをして、丁寧に布団の上で休ませてくれたんだろう。
師範はいつもそうだ、物言いは強いけれど、本当はすごくすごく優しいのだ。
そんな師範の力に私はなりたい。
そう、そう思って、鬼殺隊に入って、柱にまでなったんじゃないか。それなのに師範に守ってもらってばっかり、助けて貰ってばっかりじゃだめだ。
私は両頬を叩き、急いで身支度をし、師範と共に屋敷を出た。
その日から1ヶ月は大変だった。師範の元で、広い警備担当地区を守るための訓練を夜に毎日、日が昇って屋敷で少し眠ればお昼前には起こされ日中は鬼の情報収集、夕方には師範にみっちりと稽古を付けられた。
入隊したての師範からの直々の訓練のおかげで、広い担当地区を守るのはさほど苦労はしなかったものの、情報収集と稽古はそうはいかなかった。
日中、街の人と話していれば、何故か世間話に発展し、その方の最近あった嬉しい話し、悲しい話を話され、ついつい感情移入してしまい、話に花が咲くことが幾度となくあった。
その度に師範からは耳を引っ張られ、
「効率よく情報を集めねェと、ダメだって何回言ったらわかんだァ・・・??」
ととてもとても怒られた。
それだけでは飽き足らず、変な男組に声をかけられてお茶に誘われることや肩を組まれ強引に連れてかれた時もあって。
よっぽど腹の虫が悪かったのか、いつぶりかに師範の雰囲気を読んで、あまりの恐ろしさにぶるりと鳥肌がたった。
師範はその男たちを背負い投げしていた。
稽古も稽古で、師範は剣技が、壱の型から参の型までしかなく、少ないことを案じてくれているようで、剣技を増やす稽古をしてくれた。
その稽古は、師範の剣技をひたすら受けるというスパルタ稽古で、正直自分の呼吸の型を増やすどころか、師範の技を受け流すので精一杯だった。
「・・・」
振り返れば、柱になってから1ヶ月。
この1ヶ月本当によく頑張ったと思う。
頑張れたのは、師範に「もう無理です・・・」と弱音を吐けば、チッと舌打ちをしておはぎを奢ってくれたことや、なにかが少しでもできた時には、「やればできんじゃねぇか」って言ってくれたり、「・・・よく頑張ったなァ」と頭を撫でて褒めてくれたおかげだと思っている。
結局私は師範がいないと何も出来ないのだ。
いつもの師範のぶっきらぼうな声に、重いまぶたを開ける。
「師範・・・?」
「いつまで寝てんだァ。任務に出るぞ」
当たりを見渡せば、夜はどっぷりと老けていた。21時になるところだろうか。
最近は休暇が多かったけれど、今日からはそうはいかない。
「はい!」
起き上がれば布団がずるりと音を立てて落ちた。
夕飯を食べてから記憶がないから、きっとまた寝てしまって、師範がここまでおんぶをして、丁寧に布団の上で休ませてくれたんだろう。
師範はいつもそうだ、物言いは強いけれど、本当はすごくすごく優しいのだ。
そんな師範の力に私はなりたい。
そう、そう思って、鬼殺隊に入って、柱にまでなったんじゃないか。それなのに師範に守ってもらってばっかり、助けて貰ってばっかりじゃだめだ。
私は両頬を叩き、急いで身支度をし、師範と共に屋敷を出た。
その日から1ヶ月は大変だった。師範の元で、広い警備担当地区を守るための訓練を夜に毎日、日が昇って屋敷で少し眠ればお昼前には起こされ日中は鬼の情報収集、夕方には師範にみっちりと稽古を付けられた。
入隊したての師範からの直々の訓練のおかげで、広い担当地区を守るのはさほど苦労はしなかったものの、情報収集と稽古はそうはいかなかった。
日中、街の人と話していれば、何故か世間話に発展し、その方の最近あった嬉しい話し、悲しい話を話され、ついつい感情移入してしまい、話に花が咲くことが幾度となくあった。
その度に師範からは耳を引っ張られ、
「効率よく情報を集めねェと、ダメだって何回言ったらわかんだァ・・・??」
ととてもとても怒られた。
それだけでは飽き足らず、変な男組に声をかけられてお茶に誘われることや肩を組まれ強引に連れてかれた時もあって。
よっぽど腹の虫が悪かったのか、いつぶりかに師範の雰囲気を読んで、あまりの恐ろしさにぶるりと鳥肌がたった。
師範はその男たちを背負い投げしていた。
稽古も稽古で、師範は剣技が、壱の型から参の型までしかなく、少ないことを案じてくれているようで、剣技を増やす稽古をしてくれた。
その稽古は、師範の剣技をひたすら受けるというスパルタ稽古で、正直自分の呼吸の型を増やすどころか、師範の技を受け流すので精一杯だった。
「・・・」
振り返れば、柱になってから1ヶ月。
この1ヶ月本当によく頑張ったと思う。
頑張れたのは、師範に「もう無理です・・・」と弱音を吐けば、チッと舌打ちをしておはぎを奢ってくれたことや、なにかが少しでもできた時には、「やればできんじゃねぇか」って言ってくれたり、「・・・よく頑張ったなァ」と頭を撫でて褒めてくれたおかげだと思っている。
結局私は師範がいないと何も出来ないのだ。
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