風柱と
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「あの子、まだ変なこと言ってたのよ、雰囲気が見えるとかって・・・」
「俺もこの前言われたよ・・・。お前と喧嘩した次の日、笑ってる時に何怒ってるの?って・・・」
「あのこ普通じゃないわ・・・」
「小さい子の構ってほしい冗談かと思ってたんだけどな。」
お手洗いに起きた時にたまたま聞いた両親の会話。
やっぱりそう思っていたんだ、と疑念が確信に変わる。
私が見えていた普通は普通ではなくて。
わかっていたのだ。
わかっていたのに、涙で視界が歪む。
その時、私の影に、違う影が重なりバッと顔を開ければ、優しく笑う兄がいた。
笑う兄は、父母のいるほうを見ると眉間にシワを寄せ、
扉を勢いよく開け放った。
「何こそこそ言ってんだよ!名前は人より感じ取る力が敏感なだけで普通だよ!!」
私をいつも守ってくれたお兄ちゃん。
「やっぱり、気持ち悪い・・・のかな・・・」
「そんなわけあるか!いいか、名前は俺の大事な妹だ!名前が雰囲気よめたって、たとえ鬼になったって、可愛い妹には変わりない!俺が守ってやる!」
お兄ちゃん・・・ありがとう。人の雰囲気を読めたせいで、村の人からも疎まれてたけど、お兄ちゃんがいて幸せだったよ。
「あの子が言うから置いておいたけど、気持ち悪いのよ・・・。」
お兄ちゃん、どうして私より先に死んじゃったの?
私の居場所なんてもうどこにもない。
「なんで怒ってねェってわかるんだよ・・・」
「雰囲気・・・見える・・。それで、鬼にでも食べられればいいって言われて、森に・・・」
「・・・」
雰囲気が変わって、怒っているのがわかった。
見ず知らずの他人の境遇に怒ってくれるなんて、なんて優しい人なんだろう・・・。
雰囲気をよまれていい気分なはずないのに、師範は私の横にずっといてくれて・・・私はーーーーー
目を開ければ、木目状の知らない天井が広がっており、頬は自分の涙で濡れていた。