最強の呪術師と
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「ずっと前から気になってて、付き合ってほしいんです。」
「え?」
それは呪術師である後輩からの告白だった。
告白なんてされたのはいつぶりだろうか。最後にされたのはたしか、悟だから・・・もう何年も前になる。
恋愛対象として見ていなかっただけに、申し訳なさが募る。
「ご、ごめん、ごめんなさい、」
素直に謝ると、その後輩はあからさまに肩を落とし、ショックをうけていた。
「誰か気になる人でもいるんですか?」
「あ、ええと、まあそんなところ・・・」
そう言うと同時に恋人である五条悟の顔が思い浮かび、顔が赤くなるのを感じる。
五条悟が恋人、なんて言ったら、後輩くんは腰を抜かすだろう。
あれ程に敵に回したくない人っていないよね・・・。賞金首の恋人だなんて、命が何個あっても足りないし、悟にも口止めされているから、言えないのだけれど。
「そ、そうなんですね。残念です。」
後輩くんと気まづい空気が流れ、私はお辞儀をして実質逃げたのだった。
玄関に入ると、明らかに私には履けない大きさの黒い靴があり、悟が来ているのがわかった。
「あれ?今日くる日だっけ?」
アポ無しで来そうな彼だけど、来る時はだいたい連絡をくれる。
連絡はだいたい来るその日だし、その内容はまだ?とかいつ帰ってくるの?とか高校の時と変わらない勝手な文言で。
それに、来ている時はいつもおかえりー、待ちくたびれた。と小言を言いつつ、迎えてくれるのに。
「?五条〜?来てるの??」
きょろきょろ見渡しながら、リビングに入っても姿は見当たらない。
寝室で寝ちゃったのかな
そう思い寝室に入ると、少し狭そうに縮こまって横たわる五条悟の姿があった。
やっぱりシングルベットは、高身長な彼には、小さいらしい。
「五条?寝てるの?」
近づきふわふわの白髪に手を伸ばす。
すると閉じていた瞼がぱっちりと開き、私の手を掴み、ベッドに引きずり混んだ。
「わっ!!!!」
ぎゅううと力強く抱きしめられる。
「ご、五条、く、苦しいよ・・・寝てたの?」
じたばたする私を他所に、ぶっきらぼうに五条は口を開いた。
「お前今日告白されてただろ」
「へ?なんで・・・んっ・・・」
横向きの状態で抱きすくめられ、なんとか上を向いて五条の顔を見つめたと同時に、深いキスが降ってくる。
悟の舌と自分の舌が触れ合って、水音をたてていて、とても恥ずかしいのに、悟はそんなことお構い無しにキスを続ける。
「っ・・・」
「はっ・・・名前、俺のでしょ。なのになにあいつ。」
これはまずい。悟が"俺"と言う時は、感情が高ぶった時であることを私はよく知っている。
「・・・ご、五条、あの子は最近よく仕事してる、えっと、呪術師の後輩で・・・」
「それは知ってる。」
「え?」
なんで日中は高専にいるはずの悟が知っているのだろう。
「名前が、あの後輩を可愛がってたこともね。」
ドキ・・・とした。
そう、私はあの後輩を少し、ほんの少しだけ他の子より可愛がっていたのだ。
理由は単純、最初にあった時の後輩は、高校時代の傑にそっくりだったのだ。
非呪術師に配慮できるところとか、丁寧な言葉遣いで優等生のようにもみえるのに、どこか生意気で、腹黒いところとか。
重ねてしまったのだ。もういるはずのない友人を。
傑のように、呪詛師になってしまったら。
そう思うと、構わずにいられなかった。
恋愛対象としては全く見ていないし、やましい気持ちはなかったけど・・・、でも私が後輩くんを可愛がっていて、それがこの有様で。
「・・・ごめん。」
「それは何に対して?」
「五条を、嫌な気持ちにさせたことに対して」
「そうだね。正直俺は自分の彼女が告られてるみていい気はしない。」
それに、と悟は言葉を続ける。
「家では名前呼ぶっていう約束も忘れてるし?」
しまった。心の中では悟呼びしていたのに、いつもの癖で五条と呼んでしまった。
悟のごつごつした指が唇に伸びて、形をなぞるように優しく触れた。
「悟・・・ごめんなさい・・・」
「ん?もう遅いよ」
「へ?」
そう返した時には、両手首を捕まれ、悟が私を押し倒していた。
「今日はさ、俺の名前たくさん呼んでよ」
「ま、待っ・・・っっ!!」
思わず待ってと言おうとしたものの、遮るように深いキスをされ、私が寝れないコースは確定したのだった。
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