HQ 短編
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「はー」
息をすい、冷たい空気が肺に入ったと思えば、白い息が空中に舞う。
外に出れば、学ランだけでは肌寒く、鳥肌がぶるりとはしる。
マネージャーの残り仕事を終えるのは、部員より少し後。
先に部活が終わって、体育館の横で待っている俺のところに名前が息を切らして走ってくる。
「ごめん!お待たせ!!」
余程急いできたのか、名前の顔は真っ赤だった。
「おう」
「まっててくれて、ありがとう!」
そう言いながら俺の顔をみる。
ぶっきらぼうに返す俺とは真逆の、明るい笑顔に、気恥ずかしくなり、目を逸らし、小さく別に。と呟いてしまう。
「ん。」
手を差し出すと、名前はきょとんと数秒固まり、
「・・・・・・・・・・あ!!」
そう言って俺の上に手を重ねた。
「おっせぇんだよ、名前ボケェ」
耳が真っ赤になるのを感じ、叫び出したくなるのをグッと堪える。
「ごめん・・・まだ慣れなくて」
そういいながら名前は柔らかく笑う。
俺が手を出せば、それが手を繋ぐというのが2人とサインになったのは、つい最近のことだ。
どうすればよいのか考えた挙句、実際俺が名前に出来たのは「ん。」といって手を出すことしかできず、「???」と困惑した名前を見た時は、顔から火が出るかと思った。
「手、冷たい。寒かった?」
「別に。名前の手があるからな」
少しぶっきらぼうに返せば、名前が俺の手をギュッと強く握る。そして、緩めたり強く握ったり、俺の手をにぎにぎした。
「っ、なん、だよ」
突然のことに驚き恥ずかしくなった俺は、途切れ途切れにそう返すことしかできなかった。
「手冷たいかなーって思って。でも、影山顔真っ赤」
俺と目が合えば、ふふふと少し余裕そうに笑う名前に少しムカついた。
「名前」
自分より遥かに小さい名前に腰を曲げて、横に向いた名前に目線を合わせて
「ん?なー・・・んっ!!?」
名前の唇を自分の唇で塞いだ。
途端に開かれていく名前の瞳に俺の姿がしっかりと映る。
その瞳から逸らさないように、目線を合わせてキスをした。
「っっっ・・・・・!!!!」
びっくりして口を抑え、離れる名前が可愛くてたまらない。
「顔、真っ赤だな」
俺はそう言い、意地悪く笑った。
名前に背を向けたあと、耳が熱くなるのを感じ思わず自分の耳を触った。
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