『今日は何定食かな』




男子の5年生との共同料理の日にちは徐々に近づいている






その日まで会わないようにあっちの授業時間とかこっそり先生に聞いていたのに






「あ」






『げ』







「よぉ、久々じゃん」






『その言い方は三郎くんだね』







「何今更君付けなんだよ

あ、そうだ、近々ある共同料理について話したいことがあってさ」






そらみたことか






とても面倒じゃんか





行事の話は行事当日でいいのに







『別に今日じゃなくてもいいべ』




「いいじゃんか

そろそろ他の奴らも…お！雷蔵！

って、皆居るじゃん」





その声につられ後ろを振り向くとこれまた見た事がある奴らだ






「三郎〜！って水津雨星ちゃん？！」






「どうしたんだ雷蔵？

え？！雨星ちゃんじゃ〜ん！」




「本当だ、結構久しぶりじゃないか？

全く食堂被ることないしな」




「いや、多分雨星ちゃんが食堂すげー遅い可能性ないか？」






『五年い組久々知兵助と尾浜勘右衛門

五年ろ組の不破雷蔵と竹谷八左ヱ門』






「俺の事覚えてくれてたのか〜！嬉しいな〜」






『いや、あんたの場合は名前でというより豆腐小僧って感じで覚えてたけど』






「とっ、豆腐小僧……」






「いや合ってるだろ

なぁ？三郎」






「雨星と勘右衛門の言う通りだな」





「それで三郎と雨星ちゃんは何の話してたんだ？」





『定食決めようかとここに来たらバッタリ三郎にあった感じ

そうだよ、定食……あ、今日天ぷらの定食と煮物の定食か』





決して私の口から共同料理の話はしない






『じゃあ私腹ぺこだから先に食堂に入るべ』






面倒事に巻き込まれそうでそそさくと逃げようとしたが






「待ってくれ！！」





「雷蔵が直ぐに決めれないんだ！」





「雨星ちゃんも手伝ってほしい！！」




「おいおい、お前ら、雨星ちゃんが迷惑な顔してるぞ」





もちろん迷惑な顔してます





『じゃあ私が煮物の定食だから

あと2人が煮物で3人天ぷらにしたら？

どっちかが余った方に雷蔵を入れたらいいと思うから

さっさと選べる組は選べば？』





「あ、そうか

いつも5人だからそれで雷蔵もモヤモヤしてたけど」





「今日は6人だからいいってことか！！

いや〜！助かった！

じゃあ雨星は先に食っててくれ！

共同料理の話はそれからだ！」






うげっ、言われてしまった






『はぁ…、わかったよ

さっさと決めろよ』






私は先におばちゃんに煮物定食を受け取ることにした