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第1部

唯「ねぇ佳奈、昨日私のこと家まで送ってくれた人知らない?」
佳奈「何言ってんの?昨日先帰ったじゃない、覚えてないの?」
唯「あ、そっか…。じゃぁ奏汰も知らないか…」



一体誰なんだろう…



佳奈「そんなことより!もうすぐテストだよ?勉強するよー」



まあ確かに。送ってくれた人にお礼はしたいけど、そのうち見つかるよね。
私もちょっとでも上にあがるために勉強しないと……




それにしても……


首席ねぇ
そういえばあの人、藤原先輩と野田先輩と飲んでたな。
藤原先輩はともかく、野田先輩と一緒にいるんだもん、いくら首席だろうと性格は最悪のはず……
いやいや、決めつけは良くないか。



佳奈「唯?」




でもでも、顔がいいとか、頭がいいからって性格がいいわけでもない。
ていうか昨日の飲み会は誰が言い出したの。
私はなんであんなに飲んでしまったの。




佳奈「唯ってば!」
唯「わ!え、なに?」
佳奈「さっきから呼んでるのに全然返事しないんだもん!考え事?」
唯「え?あ、ううん」



島田晴のこと考えてたなんて言えない。
別に変な意味でじゃないし、言えないことではないけど。



佳奈「ここ、教えて欲しいんだけど」
唯「うん、ここは………」




えーい!勉強に集中しないと!
成績がいいに越したことはないんだから!




晴「もうテストの勉強してるんだ、えらいね」



ピシッ
こんな効果音が似合いそうなほど私は固まった。



佳奈「島田先輩!こんにちはー!」
晴「こんにちは。えーっと、清水さんも、こんにちは」
唯「こ、こんちゃ!」



私のアホ!ちゃんと挨拶もできんのかもう!!



晴「昨日は大丈夫だった?」
唯「え、昨日?」



私、昨日何かしたかな…
酔い潰れてたみたいだし記憶がないぞ…



晴「だいぶ酔ってたから、家まで送ってあげたんだけど、覚えてない?」



まじかぁ








唯「あ、あはは…!大丈夫です大丈夫です!今日もちゃんと起きれました!昨日はご迷惑をおかけしてすみませんでした!」
晴「いいんだ。学科代表だし、そのくらい平気だよ」




借りを作ってしまった…





康介「晴ー、昼飯行こうぜ」
晴「今行く。じゃぁ2人とも、頑張って」
佳奈「はい!」




なーにが頑張ってよ。
どうせ私らの事下にしか見てないくせに…
首席様は今回のテストも余裕ってかー?





康介「何話してたんだ?」
晴「別に、昨日のお礼言われてただけだよ」
康介「ああ。清水って律儀だなぁ」












晴「あの態度、気に食わねぇ…」
康介「ん?なんか言ったか?」
晴「いや、なんにも」
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