✼兵助

「俺以外の男と話すなって言っただろ？」

殺気あるオーラで私を追い込む兵助の瞳はなんだか怒りに満ちていた。

「…で、でも………あれは委員会でどうしても伝えなきゃいけなかったから……」

「へぇ、その割には楽しそうに話してたけど？」

許さない……と言ってるような顔で、私の首を絞める。

「うっ……く、へ、い…すけ…」

「俺のこと好き？」

恐怖に狩られている中での好意の言葉

「…す、き………好き…大好き」

こんな彼でも好きだと思えるのだから、私はもう彼からは逃げられない。

「可愛い……充希は俺だけ見てればいいんだよ」



✼勘右衛門

「充希……俺に黙って、誰と出掛けたの？」

「…え？あ、伊作先輩よ？委員会で薬草を取りに……」

勘右衛門は『ふーん』と納得いかない顔で、私の髪を引っ張った。

「痛っ……」

「伊作先輩に色目を使って誘惑してたんだ？」

「し、してない！」

「じゃあ、なんで伊作先輩の顔が赤くなってたのかな？それって、やっぱり充希が誘惑したからなんでしょ？」

クイッと顎を持ち上げて私を見る。

「違う…よ。お願い……信じて…？」

涙を流す私に勘右衛門はやっと手を離してくれた。それと同時に私を敷かれていた布団の上に押し倒された。

「充希は俺にだけ愛されたらいいよ。わった？」


～次は八左ヱ門です