✼三木ヱ門

ドン


「……あいつの何処がいいの？」

壁に押し付けられて更には股の間に足で挟み顔の左右に腕で逃げ場を塞がれる。

「三木ヱ門……」

「質問に答えてくれないと私、怒りであいつのことどうにかしてしまいそうだよ」

スッと私の頬を撫でるその手はヒンヤリとしていた。


「滝夜叉丸とは何もないよ……ただ、話をしていただけで…特別な感情は……」

「………楽しそうにしてただろう？私にはまるで恋仲みたいに思えた」

三木ヱ門は嫉妬しているようで唇を尖らせて赤い瞳を明日の方へと向ける。


「そんなことないよ！私が好きなのは三木ヱ門だし、ただ話をするのと好きでは大違いだよ！」

「………その言葉絶対に忘れないでくれよ？もし、私を裏切るなら充希を一生誰にも会わせないようにするからな」

「う、うん………」

やっと、私から離れて一緒に連れていた石火矢のユリコと何処かへ言ってしまった。


「………ふぅ」

こんな調子だと、きっと相手が男の子ならまともに口が聞けないだろう……。

口を聞いて話してしまえば、今度こそ私は三木ヱ門が言っていたように監禁されてしまう。

ヤンデレな彼の異常過ぎた愛情表現なのだ。



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