溺愛する兄上
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私には一個上の兄上がいる。
『お兄ちゃん!』
『お。なんだ充希!』
兄上の名前は三木ヱ門
いつも私と遊んでもらっては可愛がってくれて、とても良い兄上
でも、兄上が10歳になったとき
『…お兄ちゃん何処行くの?』
『充希、私は忍術を勉強するために忍術学園に通うことになったのだ』
『にんじゅつがくえん??』
『そう!忍者になるための勉強をする場所さ。夏休みには帰省するからな』
『え……それまでお兄ちゃんとは会えないの?』
『そうなる…大丈夫だ!必ず帰ってくるからな』
『………』
離ればなれになるのが嫌で、この時は駄々をこねて兄上を困らせてた。
『大丈夫だって……次の夏休みになったら必ず帰省していっぱい遊んでやるから……』
『………でも』
『充希……寂しいのは分かるわ。それだけ兄上が大好きだってことも伝わる。でもね、そんな大好きな兄上を困らせてはダメだと思うわ』
と母上に説得されて、私はちょっとの間考えてから、兄上に向き直った。
『…次の夏休み、絶対帰ってきてね!』
『充希……あぁ、必ず帰って来るから、それまで大人しく待ってるんだぞ。母上を困らせちゃダメだからな?』
『うん!』
『よーし、いい子だ!じゃ、行ってきます!』
『行ってらっしゃーい!』
『気を付けて行ってくるんですよ』
母上と兄上を見送ってから、母上の胸の中でわんわん泣いていた。
あれから、二年後が経った頃
『母上、私も兄上のように忍者になりたい』
『え?』
『私、忍術学園へ行きたいわ』
『……でも、大丈夫なのかしら?』
『大丈夫。女の子だって忍者になってる人もいると聞いたわ……ね?母上、お願い!』
12歳になった私は、兄上と同じ忍者になるために忍術学園に通いたいと母上を説得していた。
『いいわ。そんなに言うなら許可します』
『ありがとう!母上』
『まずは、忍術学園の学園長先生にお話をしてからよ』
『はーい!』
母上と私は忍術学園へと足を運んだ。
『ほぉ、田村三木ヱ門のお母上と妹さんか』
忍術学園内は想像以上に広々としていて驚いた。
目の前にいるご老人が忍術学園の学園長をしていらっしゃるお方らしい。
『はい。娘がどうしても忍術学園で忍術の勉強をしたいと言うものですから』
『そうかそうか。兄上の後を追いたかったのかな?』
『はい!お兄様が時々帰っておいでの時に色々お話を伺っておりましたので』
『ふむふむ。それで興味が湧いたのじゃな』
『はい』
学園長先生は感心したように首を何度も頷く。
『それで……12歳という年ですが、入学は出来るのでしょうか?』
『無論!入学費を払ってもらったら入学出来る』
『ありがとうございます』
『やった!ありがとうございます!』
『じゃが……一つ問題があるのじゃが……』
『…なんでしょうか?』
学園長先生が気まずそうに私を見て恐る恐ると口にする。
『…くノ一教室は二年生しかおらんくてな……じゃから、お主には忍たまとして生活をしてもらうことになる……それでも構わんか?』
忍たまとしてか……それだったら、いつでもお兄様に会えそう!
『はい、心得ました』
『ふむ。では、入学を認めよう』
『ありがとうございます!』