壊れた学園
名前変更
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『…仙蔵!綾部は無事か!?』
『あぁ。眠っているだけだ』
『そっか…良かった!』
何事もなかったようでホッとするみんな。
乱太郎は、綾部のケガは充希がやったんだと思ったが、それを口にはしなかった。
『それならいい。綾部が無事なら医務室から出よう』
上級生のみんなは綾部を起こさないように医務室から出て行った。
そして、六年生長屋に戻ろうとしたとき
『う、うわぁぁぁっ!!!!!』
三年生長屋から大きな悲鳴が聞こえた。
『な、なんだ?!今の悲鳴は!』
『この声は孫兵か?!』
何かあったのだろうと、上級生は急いで三年生長屋へと走った。
近付いてけば、慌ただしい声が飛び交っていた。
『おい!!お前たち、どうしたんだ?!』
駆けつければ、伊賀崎孫兵と三反田数馬と浦風藤内は腰を抜かしていて、富松作兵衛と神崎左門と次屋三之助は絶望に満ちたような顔である部屋の中を見ていた。
『おい!お前たち!』
『せ、先輩……た、大変で………』
顔が真っ青で尋常じゃない様子で必死に話そうとする。
『落ち着け!なにがあった!?』
『…充希がっ、あっ』
『数馬?!』
三反田数馬が部屋の方を指差したあと、気を失って倒れた。
『なっ……お、おい、伊作!!』
『え?………そ、そんな!充希ちゃん!!』
食満留三郎に呼ばれて、伊作は部屋の方を見ると、そこにはロープで首を吊った充希の姿があった。
『充希っ!!』
五年生と六年生は急いで充希をロープから外し床に降ろした。
『……伊作!どうだ?!』
保健委員である伊作が充希の意識があるか確認する。
『…ダメだ。息してない!』
『そんな!』
『心臓マッサージをするから、近くにある物をどかして!』
『わかった!』
伊作の指示にみんなは近くにある家具等を隅っこにやる。
そして、伊作が心臓マッサージを何度も何度も繰り返す。
『頼む……死なないでくれよ』
ここにいる全員が充希の意識が戻るのを祈った。
『……あ』
すると心臓が動きだし、僅かに息をし始めた。