壊れた学園
名前変更
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『……でも、充希が俺達四年生に攻撃を仕掛けられても五年生や六年生はそう簡単には…』
斉藤タカ丸が不安そうにして口にする。
『斉藤忘れたのか?充希は元は桃山城で忍たまとして育てられた奴なんだぞ』
『桃山城の忍たまは忍術学園よりもレベルは上だ。いくら三年生でもウチでは五年生と六年生の半ばぐらいの実力がある。だから、五年生相手でも余裕に闘える』
『あ………そっか…』
『そこへ恨みを持った彼女の気持ちがより力を発揮する………』
『……でも、充希ちゃんが復讐することで、ちょっとでも気持ちが晴れるなら…それでもいいかもしれない』
善法寺伊作の言葉を聞いた彼らはゆっくりと顔を伏せる。
彼女をそうさせたのは自分、こんなことになってしまったきっかけは天女でも彼女を傷付けたのは自分
その責任から、伊作の発言以降は誰も口を開かなかった。
その頃医務室では
『……………』
ケガで気を失って眠っている綾部喜八郎を黙って見下ろす人物がいた。
『………軽いケガで済んだんですね』
そう、綾部喜八郎にケガを負わせた張本人の充希だった。
寝息をたてて眠っている綾部を悲しそうな瞳で見つめる。
『……ごめん、か』
そう、彼女にはきちんと聞こえていたのだ。
滝夜叉丸達に気付き去る間際に綾部が気を失う寸前で彼女に小さな声で謝る声を………
『……もう、どうしたらいいのか分からない』
あれだけ酷いことをされたのに、たった一言の謝罪で復讐する気持ちが薄れ逆にどうしたら良いのか分からないのだ。
たった一言だけの謝罪でこんな気持ちになるってことは上級生のことはそれだけ好きだってこと…信頼し尊敬すらしていた気持ちはそう簡単には消えない。