壊れた学園
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だが……充希がある事を考えていたことなど、誰も知らなかった。
『……このあと、どうする?』
『待て。その前に喜八郎を捕まえなければならん』
四年生が退屈そうに歩いていた。
『ん?あれ、充希…?』
守一郎の言葉に指を指した方へ向けた。
『あ、本当だ………』
まだ充希に謝ってないだけ気まずさがある。
『……ん?ちょっと、待て!あれ、喜八郎ではないか?!』
滝夜叉丸があることに気付き慌てたように指を指した。
『え?どこ………あ!』
滝夜叉丸の言葉に他の四年生達がよく目を凝らして見れば、充希が立ってる場所からほぼ重なってるから、よくは見えないがボロボロになって苦しそうにしている綾部喜八郎の姿があった。
『お、おい、あれって………』
『まさか、喜八郎を攻撃してる?!』
四年生は慌てて走る。近付くにつれ話し声が聞こえてきた。
『……ふふ。どうですか?綾部喜八郎…立場が逆転した気持ちは』
不気味に嘲笑う充希と息を切らし木に持たれて崩れ落ちる綾部喜八郎。
『はぁ…はぁ、は……っ、待っ、て……』
『…待て?私のときは待ってと言っても待たず私を埋めようとしたのは誰?』
『うぐっ……』
充希が弱りきった綾部喜八郎の首を手にかけ絞め始めた。
『どうでした?天女の側にいた時の気分は…さぞ良かったんじゃないです?……天女が気に入らない私や下級生に手を出すほど天女が良いんですもんね?さぞ、甘い蜜が美味しかったんですね』
『ち、が………』
『だけど、甘い蜜を吸い続ければいつかは切れる。甘い蜜を吸った上級生には見返りを求められても仕方ない、ですよね?……あの時の出来事………私は許さない、許さない許さない』
怒りをこもった目で苦しがってる綾部喜八郎の首を絞め続けた。
『喜八郎!』
『充希ちゃん!なにしてるの!』
そこへ、他の四年生が駆けつけるのを見て、充希は手を離し立ち上がる。
『ゲホゲホッ』
『……良かったですね。助けが来てくれて……私には誰一人と助けに来てくれませんでしたけど……だけど、これで終わりだと思わないでくださいね。まだこの復讐は終わってませんから』
シュッ
と充希は忍者のごとく素早く立ち去った。
『………充希…ご、めん……』
立ち去った充希に、綾部は掠れる声で謝る。
『喜八郎!大丈夫か?!』
滝夜叉丸達が駆け付けた頃には綾部は気を失ってしまった。