「……さっきもそうだったが、私の臭いを嗅ぐのはやめてくれないか？」

「…どうして？滝夜叉丸の臭い……落ち着くのに」

ぎゅっと抱き締め返した。

「…くっ、ま、まあ、私のことが好きだというのは分かるが…」

「うん、好きよ」

滝夜叉丸って、自分勝手で自分大好きで自分のことを人に押し付けるように話すくせに、逆に押されに弱いんだよね～

「っ…………まあ、素直なお前も可愛いが」

「…ねぇ、続きしてよ」

話ばっかりで先に進まない滝夜叉丸に先を促す。


「……キスしていいか？」

と顔を近付ける滝夜叉丸に私は恥ずかしくなって顔を伏せれば、両手で頬を包みクイッと持ち上げたあと素早く口付けをした。

「ん」

「………」

最初は触れるだけのキスで何度か角度を変え、そして気持ち良くなった頃肺を見計らうように舌が口内に滑り込んできた。

「んっ、んん………ふ……息苦し……よ…」

「鼻から息を吸え。………気持ちいいだろう？」

いつの間にか、体制を変えられていて滝夜叉丸の膝の上に横向きで乗せられていた。