儚い恋が確かな恋となる
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「じゃあ、あいつが贈った安物のブレスレットにその価値があるってわけ?」
「えぇ。貴方には到底理解できないものだけど」
汗水流して掛け持ちで働いてる姿を遠くから見つめていたから分かることだけど、滝夜叉丸は家が貧乏だから家の足しにとバイトをしている。
表向きではそんな態度は見せないから、よっぽど親しい人じゃない限りは気付かない。
「………意味分かんねー」
「汗水流して働いたお金でこんな高価なものをプレゼントしてくれたのよ。私がこれずっと欲しがってたの気付いてくれてたからね」
「…なんだよ、じゃあ俺には何の努力もせずにポイポイプレゼントしてるって言うわけ?」
段々と不機嫌な表情を見せる彼氏。……まだまだ子供ね。高校生にもなったんだから、いい加減に大人になればいいのに………
「あら、家が金持ちの貴方が、まさかバイトしてるの?」
「してるわけねーだろう。俺にはそんな汗臭いことは似合わないんだよ」
「貴方と滝夜叉丸の違い言ってあげよっか?」
雰囲気を変えて、静かな口調で話す。
「……貴方は家のお金を使って、気に入った女の子達に高価な贈り物を送って喜ばせている。滝夜叉丸は家のお金には頼らず、自分でバイトしてきたお金で友達の誕生日にプレゼントを贈ってるという違い。もっと詳しく言えば、貴方自身に苦労が見えない、滝夜叉丸には自身の苦労が透けて見える」