「滝夜叉丸、チャンス到来じゃない？」

「…え？」

急に話を振られて変な声がでてしまった。

「そうだね！諦める必要ないかも！」

続いてタカ丸さんまでも私を煽て始める。

「な、なにを言ってるんですか！」

「え？なに？…もしかして、滝夜叉丸くん、充希のこと好きなの？！」

話の流れで長谷川が目をキラキラさせて私を見てくる。

……確かに、好きではあるが……


「横取りしたれ」

三木ヱ門……他人事(ひとごと)だと思って……



そんなこんなで、私が充希のことが好意を抱いてることがバレたのだった。

あぁ、この平 滝夜叉丸…一生の不覚！




だが、そんなある日のこと……珍しいことが起きた。

「あれ、充希……今日はあの彼氏と食べないの？」

「うん、幸運なことにあの人、学校休んだやだ～」

今、サラッと幸運と言ったな………

そう、いつもお昼になれば彼氏に連れて行かれるのに、今日は私達と一緒しているのだ。