僕の姉
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これから、僕はどうしたらいいんだろう?
もうあの家には帰れない。
『……あ』
そういえば、お姉ちゃんが引っ越し準備をしていたとき、あの住所が書かれた紙を返し損ねて自分のズボンに入れていたことを思い出した。
『…………ここから二駅の場所なら、僕の小遣いでも行けるよな』
でも、お姉ちゃんは僕を嫌ってる。
僕が来たら追い出されるかもしれない。
………でも、このままいても仕方ない。
もし、追い出されたらそのとき考えよう……
僕は、電車に乗りお姉ちゃんが住む街に向かった。
『……駅から降りたのは良いけど………』
ここから、どう行けばいいのか分からない。
とにかく、近くにいる人に道を聞かねば……
『あ、あの……』
『ん?なんだね?』
近くにおばさんが買い物袋を持って歩いていた。
『えっと、ここに行きたいんですが、行き方を教えてもらえませんか?』
『……おや、ここ高級住宅街じゃないか!ここからはちょっと遠いね……』
『え、そうなんですか?』
『そうよ。タクシーで行かなきゃダメだよ』
『そんな……』
お土産にお金使い過ぎてさっきの電車代も消えて残りは500円しか残ってなかった。
『タクシー代はあるのかね?』
『……500円しかないんです』
『うーん。厳しいねぇ。ここからタクシーで行ったら1500円はかかるよ』
『……そうですか』
『どうしで行きたいのかね?』
『はい……僕は、もうあそこしか行く当てかないんです………』
僕の様子に何か察したのか、おばさんがバッグから財布を取り出し2000円札を僕に差し出した。
『え?』
『これでタクシーに乗りな。1500円で足りるかもちょっと分からないからね』
『でも、良いんですか?』
『ふふ。困ったときはお互い様よ。それに僕ちゃん、何か事情があるみたいだし使いな』
『あ、ありがとうございます!!』
おばさんは親切に僕にお金をくれてタクシーまで呼んでもらい、行き先を告げてくれた。