僕の姉
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『……お母さんもお父さんもどうしたのかな?』
ケンカはしてないみたいだけど、どこか様子がおかしい。
聞いても怒られるから何も言えない。明日は遠足なのに気分は落ちていた。
朝起きて、お母さんが渡してきたお弁当……なのだが……
『え、お母さん!これ……菓子パン…だよね?』
『なに?お母さんは忙しいのよ。お弁当なんか作ってる暇ないのよ。文句あるならそれ食べなくていいわよ!』
『…ごめんなさい』
凄い剣幕で言われて、僕はこれ以上は黙って菓子パンを受け取り家を出たのだった。
家のことがあってモヤモヤしてたが、行きたかった水族館で色んな生き物を見たりお土産コーナーでたくさんお菓子とか買った。
『伝七、お菓子だらけ!』
『佐吉だってお菓子だらけじゃないか』
帰りのバスの中で佐吉とお土産のことで大盛りあがったのだった。
そして、そんな楽しかった僕に絶望を食らうことになるなんて思いもしなかった。
『……ふぅ。ちょっと買いすぎちゃった』
持って帰るのが大変なぐらいの量にちょっと後悔した。
『ただいま~。お母さん!お土産買ってきたんだよ……って、あれ?』
急いでリビングに行けば、お母さんの姿がなく、それどころか何か様子が違っていた。
『…え、あれ………なんで?』
リビングにあったはずのテーブルや椅子、食器棚や洗濯機等の家具が全て消えていた。
『…うそ、ない………』
それだけじゃない。
僕の部屋にあった家具もお母さんとお父さんの部屋の家具も何もない。もぬけの殻状態だった。
意味が分からない。何があったのか……
ガチャン
『ん?おや、誰かいるのかい?』
男の人の声がして、僕はハッとして玄関に行くと、大家さんだった。
『あれ、伝七くんじゃったのか。どうしたんだね?』
『あ、あの、おじさん…。このにあった家具も何もないんだけど……』
『ん?なに言ってるんだね?黒門さんは引っ越ししたんじゃよ?間違えて帰ってきたのかね?』
『…え。引っ越し…?』
知らない。
大家さんの言った話に僕は頭が真っ白になった。
お母さんとお父さんは……僕を置いて引っ越したってこと?
じ、じゃあ、僕は………捨てられ、ちゃ、ったの…?
僕は頭が真っ白になったままいつの間にか、この家を飛び出して街を歩いていた。
行き先の当てもなく、何も考えずにボーッとしたまま歩いた。
僕はお母さんとお父さんに捨てられたっていう事実が信じられなかった。
僕がいったい何をしたのか……なんで、捨てられたのか………どうして?
僕はお母さんやお父さんの期待に応えて勉強もしっかりしてテストもいつも満点だし、家の手伝いもきっちりした。
それなのに…………
絶望から涙が溢れていた。