(伝七side)


僕は大川学園の成績優秀な一年い組の黒門伝七です。

自分で言うのも何だけど、勉強に関しては誰にも負けない自信がある。

そんな僕には年の離れた姉がいる。

年齢は23歳で今年の誕生日で24歳になる…無口で表情を変えない冷たい感じの姉充希

僕は姉と必要な時以外話したことがなかった。その理由は、姉と母と父の相性が悪く顔を合わせればいつもケンカしていた。

母は僕のことを溺愛していて、明らかに姉と僕との態度が違う。
よく母は『どんな仕事をしてるのか知らないし知ったことじゃないけど、早くここから出て行ってちょうだい。アンタの顔なんか見たくないんだから』と言っている。


そんなある日、お姉ちゃんが忙しそうに部屋を出入りしている。

『…………』

僕がそんな様子を見ててもお姉ちゃんは僕のことなど気にしない様子で何かしている。

チラッと僕を見下ろす目は、光のない暗闇で冷たい目……


僕はお姉ちゃんに嫌われている……


『伝ちゃん、これあの子に渡してちょうだい』

『あ、うん……』

母からお姉ちゃんの洗濯物を受け取り、お姉ちゃんの部屋の前までいく。


『…お、お姉ちゃん………母さんから洗濯物……あれ？』

部屋に行けばお姉ちゃんはいなかった。

取り敢えず、部屋の中に入れば机の上に一枚の紙が置いてあった。

『……これ、何処かの住所？』

その紙には何処かの住所がメモされていた。