食事を終えた2人はショッピングモール外の広場を歩いていた。ピクニックをしている家族や犬の散歩をしている人など沢山の人たちがいる。こはるはずっと気になっていたことを空海へ尋ねた。

「ねぇ、空海ってほしな歌唄ちゃんとどういう関係なの？」

その質問を聞いた空海は少し困ったような表情をして頬をかいた。

「どんな関係って言われてもな・・・」

少し考え込んでから口を開いた。

「まぁなんだ。あいつとはいろいろあったけど今は大切な仲間だ。素直じゃなくてかわいげもないけど、ああ見えて意外ともろい部分もあるんだよ。だから俺はそんな部分を受け入れて支えてやりたいって思ってるかな」

なんか照れるな、と言いながら頬を赤くして笑った。その表情を見たこはるは少しどきっとしてしまった。
そんな風に相手のことを思える空海はとても素敵だと思った。

「大切に思ってるんだね。そんな風に言ってもらえるなんて歌唄ちゃんが羨ましいな」

こはるは正直に思ったこと言った。すると今度は空海がこはるの表情を見てどきっとしてしまった。

「お前にだってそう思ってくれる相手がいるじゃねぇか」

そう言われて思い浮かぶのはやはり唯世の顔だった。唯世のことを考えるだけで心の中が暖かくなるような気がした。

「幸せそうな顔しやがって。あー、羨ましいこって」

「そのままお返ししますー。空海も幸せそう顔してるもん」

そんな会話をしながら笑いあった。夏空の下、太陽の光で緑豊かな木々が輝いて見えた。

夏休みのキャンプ。とても楽しい思い出になるであろう。