夏休みまであと少し!生徒総会当日
生徒会の話し合いも終わり、唯世とこはるはパトロールをしつつ帰宅していた。
「みんなでキャンプかぁ。楽しみだけど、まずはお父さんを説得しないと」
娘大好きな父のことを考える。いくら大学生のイクトが引率するといっても簡単に納得はしないであろう。
そんなこはるに唯世は声をかける。
「大丈夫、僕もいっしょに説得するから」
「ありがとう唯世」
そして何事もなく家に着いた。唯世もいっしょに花城家へと入る。今日は久しぶりに両親が揃っているはずだ。
挨拶をして帰宅すると、こはるの母が2人を出迎えてくれた。
「あら、唯世くんいらっしゃい」
「おばさま、お邪魔します」
挨拶を済ませるとリビングへと向かう。こはるの父もそこにいるようだ。
「お父さんただいま、話があるんだけど」
「こはるお帰り、って唯世くん・・・!」
こはるの父は後ろから登場した唯世に驚いた顔をした。体育祭の一件でこはると唯世が交際していることは知っていたが、実際に2人で家へとやってきたことに動揺しているようだ。
「なんで2人で。まさか、結婚の・・・?!」
そんな風に言いかける父にこはるは慌てて突っ込む。
「そんなわけないでしょ!今日はキャンプの話をしに来てくれたの」
唯世も続いて話し出す。
「僕達夏休みに隣の県のキャンプ場に行くことを予定していまして。大学生のお兄さんが引率してくれるのですが、こはるもいっしょに行かせてほしいんです」
こはるの母はそれに喜んで了承する。しかし父は渋い顔をしている。
「しかし引率がいるといっても心配だなぁ」
そんな父に唯世は強い瞳で訴える。
「僕がこはるのそばにいて危険な目には合わせませんので、どうかいっしょに行かせてください」
こはるの母は必ずニコニコしている。父はやっと納得してくれたようで顔を上げて小さく笑った。
「分かった。お前たちもいつまでも子供ではないんだな」
その言葉にこはると唯世は喜び合った。
「でも、そのなんだ。お前たちはまだ中学生なんだ。節度あるお付き合いというものを」
そんな父の口をこはるの手がふさぐ。唯世にいたっては顔を真っ赤にしている。
「もーお父さん!いいかげんにしてよね!」
そう言いながら唯世の手を引き自室へと連れ出した。
「ごめんね唯世。お父さんが変なこと言って・・・」
こはるも顔を赤くしながら唯世へ謝った。
「ううん、大切な娘さんがキャンプに行くんだもの。心配だってするさ」
そう言って唯世はソファに腰かけた。こはるの自室はそこそこ広い。白とピンクを基調としたスペースに、2人用のソファが一つと丸テーブルが置いてある。ベットは子供1人にしてはかなり大きなサイズのものだ。こはるの母はCAとして各国を飛び回っている。仕事以外でも海外旅行が好きなので、旅行先でかわいらしい家具を見つけるとこはるにプレゼントしてくれるのだ。おかげでこはるの部屋は女の子らしくオシャレな洋風の雰囲気でまとまっている。
「とりあえずお茶とお菓子持ってくるね」
そう言って部屋を出ようとするこはるの手を唯世は優しくつかんで、ソファに座らせる。2人用のソファの片側にはすでに唯世が座っているので必然的に2人の距離は近くなる。
「そんなに長居はしないから、気にしないで」
「あ、うん。分かった」
横を見ればすぐそこに唯世の顔。こはるの心臓はどきどきしっぱなしだった。
「キセキ。ここは二人きりにさせてあげましょう」
「そうだな」
そんな会話をしてキセキとティアラは部屋を出て行った。
「さっき言ったことなんだけど」
唯世は小さな声で話し出す。
「キャンプだけじゃないから。どこにいたって僕が必ずこはるを守る」
そんな唯世にこはるは驚くが、真剣な表情から目を離せなくなる。
そして唯世の手が優しくこはるの頬へと添えられる。
きっとキスをされるんだ。そう思ったこはるはとっさに目をつむる。段々と唯世の顔が近づいてくるのを感じる。そして、息がかかるほど近くなったその瞬間。
「こはる~!ジュース持ってきたわよ。今回はイタリアで買ってきたお土産が・・・」
おぼんに2人分のジュースとお菓子をのせて運んできた母親が部屋に入ってきた。そんな母に驚いた2人はすごい勢いで距離を取る。
「あら、お邪魔しちゃったみたいね・・・。ここに置いておくからごゆっくりどうぞ~」
こはるの母はおぼんごと部屋の入口にジュースを置くと、申し訳なさそうな顔で部屋を出て行った。
2人の間には沈黙が流れる。
「ま、まったく、お母さんは。部屋に入るときはノックしてもらわなきゃ!」
そう言うこはるは脳内がかなり混乱しているようで目が回っている。こはるの母の登場に驚いていた唯世だが、そんなこはるの表情を見てつい笑ってしまう。
「あ、笑ったなぁ」
こはるはほほを膨らませてそっぽ向いてしまう。
「ごめんごめん。こはるがかわいくてつい」
「か、かわいいって・・・。もう、いつから唯世はこんなプレイボーイになっちゃたのかしら」
「ふふ。続きはまた今度ってことかな」
そんな唯世の言葉にこはるは今度こそ顔を真っ赤にして沸騰してしまう。
キセキとティアラはその様子を窓から見ていたようだ。
「もー、あと少しで初めてのキスでしたのに!」
「おい、盗み見はよくないぞ」
「キセキだって気になるでしょ?いっしょになってここにいるじゃないの」
「べ、別にそういうわけでは・・・!」
「みんなでキャンプかぁ。楽しみだけど、まずはお父さんを説得しないと」
娘大好きな父のことを考える。いくら大学生のイクトが引率するといっても簡単に納得はしないであろう。
そんなこはるに唯世は声をかける。
「大丈夫、僕もいっしょに説得するから」
「ありがとう唯世」
そして何事もなく家に着いた。唯世もいっしょに花城家へと入る。今日は久しぶりに両親が揃っているはずだ。
挨拶をして帰宅すると、こはるの母が2人を出迎えてくれた。
「あら、唯世くんいらっしゃい」
「おばさま、お邪魔します」
挨拶を済ませるとリビングへと向かう。こはるの父もそこにいるようだ。
「お父さんただいま、話があるんだけど」
「こはるお帰り、って唯世くん・・・!」
こはるの父は後ろから登場した唯世に驚いた顔をした。体育祭の一件でこはると唯世が交際していることは知っていたが、実際に2人で家へとやってきたことに動揺しているようだ。
「なんで2人で。まさか、結婚の・・・?!」
そんな風に言いかける父にこはるは慌てて突っ込む。
「そんなわけないでしょ!今日はキャンプの話をしに来てくれたの」
唯世も続いて話し出す。
「僕達夏休みに隣の県のキャンプ場に行くことを予定していまして。大学生のお兄さんが引率してくれるのですが、こはるもいっしょに行かせてほしいんです」
こはるの母はそれに喜んで了承する。しかし父は渋い顔をしている。
「しかし引率がいるといっても心配だなぁ」
そんな父に唯世は強い瞳で訴える。
「僕がこはるのそばにいて危険な目には合わせませんので、どうかいっしょに行かせてください」
こはるの母は必ずニコニコしている。父はやっと納得してくれたようで顔を上げて小さく笑った。
「分かった。お前たちもいつまでも子供ではないんだな」
その言葉にこはると唯世は喜び合った。
「でも、そのなんだ。お前たちはまだ中学生なんだ。節度あるお付き合いというものを」
そんな父の口をこはるの手がふさぐ。唯世にいたっては顔を真っ赤にしている。
「もーお父さん!いいかげんにしてよね!」
そう言いながら唯世の手を引き自室へと連れ出した。
「ごめんね唯世。お父さんが変なこと言って・・・」
こはるも顔を赤くしながら唯世へ謝った。
「ううん、大切な娘さんがキャンプに行くんだもの。心配だってするさ」
そう言って唯世はソファに腰かけた。こはるの自室はそこそこ広い。白とピンクを基調としたスペースに、2人用のソファが一つと丸テーブルが置いてある。ベットは子供1人にしてはかなり大きなサイズのものだ。こはるの母はCAとして各国を飛び回っている。仕事以外でも海外旅行が好きなので、旅行先でかわいらしい家具を見つけるとこはるにプレゼントしてくれるのだ。おかげでこはるの部屋は女の子らしくオシャレな洋風の雰囲気でまとまっている。
「とりあえずお茶とお菓子持ってくるね」
そう言って部屋を出ようとするこはるの手を唯世は優しくつかんで、ソファに座らせる。2人用のソファの片側にはすでに唯世が座っているので必然的に2人の距離は近くなる。
「そんなに長居はしないから、気にしないで」
「あ、うん。分かった」
横を見ればすぐそこに唯世の顔。こはるの心臓はどきどきしっぱなしだった。
「キセキ。ここは二人きりにさせてあげましょう」
「そうだな」
そんな会話をしてキセキとティアラは部屋を出て行った。
「さっき言ったことなんだけど」
唯世は小さな声で話し出す。
「キャンプだけじゃないから。どこにいたって僕が必ずこはるを守る」
そんな唯世にこはるは驚くが、真剣な表情から目を離せなくなる。
そして唯世の手が優しくこはるの頬へと添えられる。
きっとキスをされるんだ。そう思ったこはるはとっさに目をつむる。段々と唯世の顔が近づいてくるのを感じる。そして、息がかかるほど近くなったその瞬間。
「こはる~!ジュース持ってきたわよ。今回はイタリアで買ってきたお土産が・・・」
おぼんに2人分のジュースとお菓子をのせて運んできた母親が部屋に入ってきた。そんな母に驚いた2人はすごい勢いで距離を取る。
「あら、お邪魔しちゃったみたいね・・・。ここに置いておくからごゆっくりどうぞ~」
こはるの母はおぼんごと部屋の入口にジュースを置くと、申し訳なさそうな顔で部屋を出て行った。
2人の間には沈黙が流れる。
「ま、まったく、お母さんは。部屋に入るときはノックしてもらわなきゃ!」
そう言うこはるは脳内がかなり混乱しているようで目が回っている。こはるの母の登場に驚いていた唯世だが、そんなこはるの表情を見てつい笑ってしまう。
「あ、笑ったなぁ」
こはるはほほを膨らませてそっぽ向いてしまう。
「ごめんごめん。こはるがかわいくてつい」
「か、かわいいって・・・。もう、いつから唯世はこんなプレイボーイになっちゃたのかしら」
「ふふ。続きはまた今度ってことかな」
そんな唯世の言葉にこはるは今度こそ顔を真っ赤にして沸騰してしまう。
キセキとティアラはその様子を窓から見ていたようだ。
「もー、あと少しで初めてのキスでしたのに!」
「おい、盗み見はよくないぞ」
「キセキだって気になるでしょ?いっしょになってここにいるじゃないの」
「べ、別にそういうわけでは・・・!」