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夏休みまであと少し!生徒総会当日

今日は生徒総会当日。すでに全校生徒は講堂に集まっており、生徒会は開会に向けて最終確認をしていた。
司会はなぎひこ。書記兼委員会報告はりま。会計報告はやや。各部活動報告を空海。そして生徒会長の言葉として唯世。
あむとこはるは役員席で待機となっている。

「それでは、前期の生徒総会を開会いたします。まずは会計報告。生徒会会計の結木ややさん」

なぎひこの饒舌な司会によって総会は手順通り進んでいる。顔には一切の緊張も見られない。さすがなぎひこである。大きな舞台には慣れているようだ。

「これなら予定通り終わりそうね」

「うん、みんなさすがだね」

ティアラとこはるは小さな声で会話を交わした。あむとそのしゅごキャラ達もリラックスした表情で席に着いている。
しかし、平和に会が終わることはなかった。×たまの気配をしゅごキャラ達は感じたのだ。唯世達は総会を抜け出すことがもちろんできない。しかし情報はしゅごキャラ達から聞いたようで焦った顔をしている。

「こはる」

ティアラがこはるへ声をかける。もちろんこはるの覚悟は決まっていた。自分には特別仕事がないので、このような事態になった場合は出動することを事前に考えていたからだ。それはあむも同じ。こはるとあむは顔を見合わせると静かに席を立って講堂を離れた。

「こはる、複数の気配がするわ。きっとあなたも戦うことになる」

「大丈夫。ティアラ、あなたの力を貸して」

もちろんと言うようにティアラは大きく頷いた。

こはるとあむが走った先はグラウンドだった。見上げると、上空に2つの×たまが浮かんでいる。

「あむちゃん!きゃらなり!」

ランがあむへと声をかける。

私のココロ『アンロック!』

キャラなりアミュレットハート!

それを見たこはるはティアラへと声をかける。

「ティアラ!キャラチェンジ!」

「ええ!」

こはるの頭にはこの間と同じように輝くティアラが飾られる。しっかりとキャラチェンジができたようだ。

2つの×たまはそれぞれ別の方向へ動き出した。

「こはる、そっちは頼める?!」

「もちろん!」

あむとこはるはそれぞれ×たまを追いかけることにした。こはるにとっては初めての戦闘で不安はあったが、胸の内から力が湧いてくるような感覚があった。

こはるが追いかけた×たまはやがて花壇の前で止まった。そしてたまごにはひびが入り、中から×キャラが生まれてしまった。

「ムリムーリ!!」

×たまは笑いながら衝撃波をはなってくる。

「こはる、クイーンズスティックよ!」

ティアラが心の中で話しかける。
こはるは脳内でクイーンズスティックを呼んだ。するとこはるの手には真っ赤なスティックが召喚された。先端にはルビーのような輝きを放つ水晶が飾られている。
それを衝撃波へ向けて力を込めた瞬間、水晶部分から眩い光が放たれて衝撃波をはじき返した。

「その光は浄化の光。こはるが心から願えばあの×キャラを浄化できるほどの光が溢れるはずよ」

ティアラはそう続けた。衝撃波をはじき返された×キャラはかなり焦っている様子だ。

こはるは胸の前で両手を握った。そして×キャラの悲しみや怒りが静まるようにと祈った。
するとこはるの胸からは眩い光が広がり、×キャラを包み込んだ。

「これが、私の浄化の光・・・?」

光に包まれた×キャラは、やがて穏やかな顔となり通常のココロのたまごへと戻っていた。そして持ち主の元へ飛んで行った。

「私、浄化できたんだ」

こはるは喜びにあふれた笑顔を咲かす。するとティアラはこう言う。

「あなたの中の光はキャラチェンジすることによってコントロールできるようになるの。でも力の使い過ぎは危険だから気を付けるのよ」

ティアラは不安そうに話しかける。しかしこはるの心は喜びでいっぱいであった。

「おーいこはる!大丈夫ー?」

あむがこはるのもとへと走ってきた。あむも無事×たまを浄化できたようだった。

「あむちゃん!私も浄化できたよ」

こはるは自信満々にあむに答える。キャラチェンジも同時に解いた。
講堂を抜け出してから20分ほど経とうとしていた。まだ総会は続いているはずだ。あむとこはるは急いで講堂へ戻った。


「続いて生徒会長の言葉。聖夜学園中等部生徒会長辺里唯世さん、お願いします」

戻ったころに丁度最後のプログラム、唯世の挨拶が始まった。さすが年々も代表を務めてあるだけある。緊張しやすい性格ではあるがそれでも堂々と言葉を述べている。そんな唯世にこはるは見惚れてしまっていた。

そして生徒総会は無事終了した。

「こはる、あむちゃん大丈夫だった?」

唯世が2人に駆け寄ってくる。

「ばっちりだよ。ね、こはる」

「うん!」

あむとこはるは手を合わせながら答える。
すると横からややが声をかける。

「よーし!これで生徒総会も終わったし夏休みだぁぁ!」

すでに夏休みに向けて心が切り換えられているようだ。しかしそこはみんないっしょ。中学生にとって夏休みは一つの大きなイベントなのだ。その中で空海だけが若干暗い顔をしていた。

「あー、俺は受験に向けていろいろ考えなきゃな」

「相馬くんはもう受験生だもんね」

唯世は空海を気遣いながら言う。

「えぇー、空海また卒業しちゃうの?ややが卒業するまではいてよ!」

「バカヤロー、留年なんてできるわけないだろ。それにまだ半年以上あるからな」

空海はややの頭に手を置いてポンポンっと手を動かした。
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