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あなたには負けない!最強のライバル現る

「なんでこんなことに・・・」

「花城さん!よろしくね」
「日奈森さん、楽しもうね!!」

あれから男子選手は、全員参加のくじびきによって決められた。
20名ほどいる男子から唯世が運よく当たりを引くこともなく、こはるとあむ共に、ほとんど話したことのない男子とペアを組むことになったのである。




そして放課後、生徒会室。

「へぇ、それであむちーとこはるたんが同じ競技に出ることになってるんだね。おもしろーい」

「もう最悪だよ~。全然知らない男子といっしょに二人三脚とか」

生徒会室では、あむ、りま、ややの女子メンバーが談笑をしていた。

「まぁまぁ、新しい恋の芽生えになるかもしれないじゃん!楽しんじゃえ楽しんじゃえ~」

「もーややおもしろがって」

そこに紅茶とクッキーを持ったこはるが入ってきた。
紅茶からはほかほかの湯気とおいしそうな香りが漂っている。

「わーおいしそう!こはるたんが作ったの?」

「ほんと、おいしそうね。」

甘いものに目がないややは興奮気味に尋ねる。
こはるは恥ずかしそうに答えた。

「はい、昨晩家で作ってまいりました。昨日の放課後のお茶会はとても楽しかったですから。今日もおいしいものをと思いまして」

「いや、あれはお茶会じゃなくて会議だから・・・。でもありがとう!」

「!!い、いえ。どういたしまして」

あむの心からの感謝に、こはるは照れながら答える。
そこに遅れてやってきた男子三人組が到着する。

「わりーわりー、遅れちまった」

「まったく相馬くんが先生につかまるから」

空海がなぎひこに怒られながら入ってきた。

「あれ、これこはるが作ったクッキー?懐かしいなぁ」

「うん、みんなの分とこの王冠のは唯世の分・・・ってない?!」

ぼりぼりぼり

こはるの目には唯世の為に作った一番大きくて王冠の形をしたクッキーを頬張る空海の姿が目に映った。

「相馬さん!それは唯世の分よ!なにしてるのー!!!」

「こ、こはる落ち着いて・・・」

「わ、わりぃ。味の種類は同じかと思ってつい食っちまった」

素直に謝る空海に、こはるは我を取り戻す。
そして先ほどの己の言葉遣いに反省をする。

「私としたことが先輩に対してなんて失礼なことを」

「いやいいんだって。というか、それやめないか」

みんなが首をかしげる。

「その話し方だよ!別にため口でいいし。あとその相馬くんってやつ!空海でいいよ」

「いえ、これは礼儀として必要なことです」

「硬い硬い。もう俺たちは仲間なんだから、遠慮はなしだぜ!」

空海の言葉に、ほかのメンバーも賛同する。
ただこはる混乱していた。
前の学校はそれなりにお金持ちの学校だったし、小さなころから礼儀作法には厳しく言われていたからだ。

「じゃあややもー!」

「僕のこともなぎひこって呼んでほしいな。敬語もいらないよ」

「私は別に何でもいいけど」

そんなこはるを後押しするのはやはり唯世だった。

「こはる、みんなこう言ってるんだしもう少し楽に話してみてもいいんじゃないかな?」

「う、うんわかった。ありがとう・・・」

そんな中、素直に声を上げられないものが一人。
しかし、そんな彼女を後押しするのもまた唯世であった。

「ほら、あむちゃんも」

「うん。えーと、花城さん。私のこともあむって呼んで。ため口で話してほしい」

「あむちゃん・・・。ありがとう。みんなも私のこと名前で呼んでくれたらうれしいな」

そんな言葉と共ににこっと笑うこはるに思わず赤面する面々。
今まで唯世以外の前では基本無表情だったため、この笑顔で改めてこはるのかわいらしさに気づいた。

「よし、じゃあ今日の会議をはじめます」

そう唯世が言った瞬間、しゅごキャラ達は異変に気が付いた。

「あむちゃん!」「唯世!」「空海!」
「りま!」「ややたん!」「なぎひこ!」

×たまの気配がする!
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