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いよいよ本番!みんながんばれ体育祭

午前中の競技はすべて終了した。
様々な事件やトラブルはあったが、なんとかすべての競技が成功した。お昼の時間は長めにとられているので、軽く見回りをしつつ、唯世とこはるは家族の元へ向かった。
テントへ着いた瞬間案の定質問攻めにされた。
ひどかったのはこはるの父。いつから付き合ってるのか、なぜ秘密にしていたのかと唯世に強く迫った。唯世はそれに丁寧に対応した。
こはるとしては、自分の家族よりも唯世の母にどう思われるのかが心配だったようだが、それも杞憂に終わった。
唯世さんをよろしく、と言われてしまったのだ。これにはこはるも唯世も顔を赤くしながらもとても喜んだ。
こはるの父も渋い顔をしながらも交際を認めてくれた。
まぁ反対されたところで別れるつもりはないのだが。

食事を済ませたこはるは、チアダンスの準備をするために校舎へ向かった。唯世にはなんとかごまかしを入れて。

校舎で用意されていた教室へ向かうと、すでにほとんどのメンバーが集まって着替えを始めていた。あむやりま、ややとも合流をした。

「そういえばららちゃんは・・・?」

「あれ、安藤さんだけいないね」

こはるとあむは、その中に安藤ららだけがいないことに気づいた。まさか本当に参加しないつもりでは。そう思っていた中で、しゅごキャラ達が声をあげた。

「あむちゃん!×たまの気配がするよ」

クスクスとぺぺもそれに気が付いたみたいで、りまとややに伝えている。気配は校舎内からするようだ。この距離だと唯世や空海はきっと気づいていないだろう。しかしそれは好都合だった。今のこはる達の姿はグラウンドで見せたいのであって、今見られたいものではなかったから。

「私たちでどうにかしよう。りま、いっしょに来てくれる?ややはここでみんなと準備を進めてて!」

そうあむが指示を出すが、こはるはそれに反論した。

「ううん、私とあむちゃんで行くから、りまちゃんとややちゃんはここに残って!」

あむからしたら、戦うすべを持たないこはるがなぜそういいだすのかが分からなかった。しかし、こはるには×たまの持ち主がうすうす分かっていた。

「その×たま、きっとららちゃんのよ。だったら私が行く。行かせてほしいの」

こはるの本気の思いを感じたあむは、再度指示を出しなおした。

「分かった。こはると私で行くから、りまとややはみんなのことお願い」

そうしてあむとこはるは、×たまの元へ向かった。
3階にたどり着いた所で、×たまの鳴き声が聞こえた。それは悲しく苦しんでいるような声だった。
その時、廊下に×たまが飛び出してきた。

「いたよあむちゃん!」

こはるは声を出す。すでにランとキャラなりしていたあむは、ハートロットを出し×たまを廊下の端へ追いつめる。
しかし×たまも簡単には捕まらない。体から大きな衝撃波を出して応戦する。
一度吹き飛ばされたあむだったが、負けじと×たまへ向かっていく。

「ムーリムリ」

×たまはずっと悲しそうな声をあげている。これはきっとららの不安な気持ちや恐怖を表しているんだ。
そう思ったららは、少しづつ×たまへ近づいて行った。

「こはる!危ないよ!」

あむが叫ぶ。だがこはるは止まらなかった。早くららの心を悲しみから救いたかったからだ。

「ねぇ、らら!私と練習した時間のこと忘れちゃったの?それに空海のことあんなに楽しそうに話していたじゃない!ららみたいに素直にまっすぐな生きられる子なんてそういないよ!私はららのことが大好き。だから元の優しい心に戻って・・・」

こはるは×たまに向かって気持ちを伝えた。すると×たまの動きは止まった。

「あむちゃん、今だよ!」

こはるの声を聴いたあむは、×たまへ手を向ける。

「ネガティブハートにロックオン!オープンハート!!」

あむの手から放たれた優しい光によって、×たまは通常のココロのたまごにもどり、持ち主のもとへ帰っていった。

「やったね!」

手を取り合って喜んだ2人だが、ふと近くの教室内の時計を見て気が付く。時間がないと。
それから急いでチアダンスの支度をする2人は、談笑する女生徒の中にららの姿を見つける。これで一安心だ。

「さーみんな、練習の成果を存分に発揮して、男子やお客さんを驚かそー!そして体育祭盛り上げるぞー!!」

ややの言葉で全員のボルテージもマックスになる。
そしてメンバー全員で、グラウンドへ向かった。
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