いよいよ本番!みんながんばれ体育祭
競技の合間にこはるはららに話しかけに言った。チアダンスの披露は昼休憩の後だが、午前中の今から緊張しているようだった。
「ららちゃん、大丈夫?」
すっかり自分の世界に入り込んでいたららは、急に話しかけられたことによりかなり驚いてしまった。
「こはるちゃん、やっぱり私には・・・」
もうすでに泣きそうな表情である。先ほどの空海が走っていた時はクラスのみんなと盛り上がっていたようだが、今はすっかり震えて小さくなってしまっている。
「きっとうまくいくよ!あんなに練習したんだもの。自信をもってがんばろう」
こはるなりに精一杯励ました。いっしょに練習してきた時間はきっと無駄にはならない。
少し顔を上げたららだったが、まだ緊張はほぐれないようだった。
するとこはるはあむに呼ばれた。
「こはる、次唯世君の番だよ!」
グランドに目を向けると借り物競争に出場する唯世の姿があった。
聖夜中の借り物競争はまれに過激なものも出題される。
そんな注目競技に学園の王子様が登場したということで、会場中の注目が集まっていた。先ほどから女生徒たちの黄色い悲鳴がやまない。
「位置について、よーい」パンッ
スタートの合図が鳴った。選手は唯世含めて5名。勢いよく走り出した。50メートルほど走ったところでお題にたどり着く。今のところ唯世の順位は1番だった。
お題を見た瞬間、一瞬唯世の顔が強張った気がした。少し迷うそぶりを見せつつも走り出した。2年A組のブースに向かって。
他の選手のお題は、{嫌いな野菜}や{友達の彼女}など特殊なお題ばかりなようだ。みな苦戦している。
こちらへ走ってきた唯世を見てクラスメイトが顔を赤くする。これはあの定番のお題なのでないかと。
「こはる!いっしょに来てくれる?」
そういいながらこはるの手を取り走り出す唯世。
さながらお姫様を連れ去る王子様のようだ。
またもや会場中が歓声に包まれた。その中でこはるの父親だけが悲しい悲鳴を上げていた。
こはるを気遣いながらも、さすがのスピードで走り抜けた唯世は無事1位でゴールした。
お題公開の司会者が、唯世へマイクを向ける。
「聖夜学園中等部生徒会長辺里唯世さんです!さぁ辺里さん、今回のお題を教えてください!」
こはるは緊張のあまり目をつむりその言葉を聞く。
「僕のお題は{今一番大切な人}でした。幼馴染として、また大切な恋人として僕のそばにいてくれるこはるが、僕の大切にしたい人です」
普段はあまり目立つことが好きではない唯世が、この観衆の前でどうどう発言をした。会場中の悲鳴はやむこと知らない。
2位以下のお題発表も観客の耳には入っていない。
「ごめんねこはる。こんなとこまで連れてきちゃって・・・」
自分たちのクラスに戻る途中に、唯世は申し訳なさそうにこはるに謝った。こはるとしては、とても恥ずかしいできごとだったがそれ以上にうれしい感情のほうが大きかった。
「ううん、とってもうれしかったよ。唯世が私を選んでくれて。私にとっても唯世が一番大切だもの。でも、お父さんには質問攻めされるだろうなぁ」
こはるは、お昼休みに家族のもとで食べる昼食の時間が恐ろしくなった。
「ららちゃん、大丈夫?」
すっかり自分の世界に入り込んでいたららは、急に話しかけられたことによりかなり驚いてしまった。
「こはるちゃん、やっぱり私には・・・」
もうすでに泣きそうな表情である。先ほどの空海が走っていた時はクラスのみんなと盛り上がっていたようだが、今はすっかり震えて小さくなってしまっている。
「きっとうまくいくよ!あんなに練習したんだもの。自信をもってがんばろう」
こはるなりに精一杯励ました。いっしょに練習してきた時間はきっと無駄にはならない。
少し顔を上げたららだったが、まだ緊張はほぐれないようだった。
するとこはるはあむに呼ばれた。
「こはる、次唯世君の番だよ!」
グランドに目を向けると借り物競争に出場する唯世の姿があった。
聖夜中の借り物競争はまれに過激なものも出題される。
そんな注目競技に学園の王子様が登場したということで、会場中の注目が集まっていた。先ほどから女生徒たちの黄色い悲鳴がやまない。
「位置について、よーい」パンッ
スタートの合図が鳴った。選手は唯世含めて5名。勢いよく走り出した。50メートルほど走ったところでお題にたどり着く。今のところ唯世の順位は1番だった。
お題を見た瞬間、一瞬唯世の顔が強張った気がした。少し迷うそぶりを見せつつも走り出した。2年A組のブースに向かって。
他の選手のお題は、{嫌いな野菜}や{友達の彼女}など特殊なお題ばかりなようだ。みな苦戦している。
こちらへ走ってきた唯世を見てクラスメイトが顔を赤くする。これはあの定番のお題なのでないかと。
「こはる!いっしょに来てくれる?」
そういいながらこはるの手を取り走り出す唯世。
さながらお姫様を連れ去る王子様のようだ。
またもや会場中が歓声に包まれた。その中でこはるの父親だけが悲しい悲鳴を上げていた。
こはるを気遣いながらも、さすがのスピードで走り抜けた唯世は無事1位でゴールした。
お題公開の司会者が、唯世へマイクを向ける。
「聖夜学園中等部生徒会長辺里唯世さんです!さぁ辺里さん、今回のお題を教えてください!」
こはるは緊張のあまり目をつむりその言葉を聞く。
「僕のお題は{今一番大切な人}でした。幼馴染として、また大切な恋人として僕のそばにいてくれるこはるが、僕の大切にしたい人です」
普段はあまり目立つことが好きではない唯世が、この観衆の前でどうどう発言をした。会場中の悲鳴はやむこと知らない。
2位以下のお題発表も観客の耳には入っていない。
「ごめんねこはる。こんなとこまで連れてきちゃって・・・」
自分たちのクラスに戻る途中に、唯世は申し訳なさそうにこはるに謝った。こはるとしては、とても恥ずかしいできごとだったがそれ以上にうれしい感情のほうが大きかった。
「ううん、とってもうれしかったよ。唯世が私を選んでくれて。私にとっても唯世が一番大切だもの。でも、お父さんには質問攻めされるだろうなぁ」
こはるは、お昼休みに家族のもとで食べる昼食の時間が恐ろしくなった。