大忙し!体育祭準備編
体育祭まであと一週間。聖夜学園中等部は、今年最初のビッグイベントを前に浮足立っているようだった。
聖夜中生徒会のメンバーは、残り少ない日数で体育祭をさらに良いものとするために準備に追われていた。
空海とややは、会場設営における最終確認へ。なぎひこは各学年の体育委員とともに必要な器具の確認へ。あむとりまは、各チームの横断幕づくり。
そして唯世とこはるは、体育祭の宣伝ポスターを町内へ配りに出かけていた。
「聖夜中の体育祭って本当にすごいんだね・・・。まさかポスターまで制作するとは」
こはるにとっては聖夜中で初めての体育祭。その規模にいまだに驚きを感じていた。
「小等部のほうもかなり力を入れているけど中等部も負けてないからね。できる競技も多くなったし、盛り上がりはすごいことになると思うよ」
その分生徒会へのプレッシャーも大きいものだった。2か月以上時間をかけて計画してきた体育祭。それにかける思いはみな大きなものだった。
「でも、仕事と称して唯世とでかけられるなんてうれしいな」
「僕もうれしいよ。でもあんまりのんびりしているとみんなに怒られちゃうから、あと少し頑張って配りに行こうか」
「うん!」
町内会の集会所や、交番、カフェなどをめぐり、ポスターを掲示させてもらった。
その帰り道、唯世は思い出したかのように言った。
「そういえばこはるは二人三脚に出るんだよね。確か同じクラスの桜木くんとだったかな」
体育祭の競技決めの日、唯世と共に出場したかったこはるは二人三脚の女子メンバーに立候補したのだ。しかし当時のライバルあむも加わったことにより、男子の倍率が大きく跳ね上がり、相手役に唯世が選ばれることはなかった。こはるとあむ共に、関わりの少ない男子とペアになること決まったのである。
こはるとしては非常に不服なことであったが、桜木と共に練習を繰り返すたびに、彼の誠実で努力家なところには好感を持っていた。
「うん、練習もたまにしてるんだけどいい感じかも。今は1位を狙って頑張ってるよ」
何の悪気もなくいったが、唯世からすると自分の恋人が他の男子と密着する競技に出るということで、少し不満気になってしまった。
「ちょっと妬けちゃうな」
唯世がそんな風に言ってくれるのは初めてだったので、そのやきもちにこはるはうれしくなった。
「もともとは唯世と出場したかったんだよ?唯世のクジ運がなかったから・・・」
「あれだけの人数の中であたりを引くなんて難しいさ」
そう唯世は笑って答えた。
「唯世はリレーに出場するんだよね?」
こはる達クラスが所属する赤カラーのアンカーを務めることになった唯世。中学生になってから背も伸びて、足もかなり速くなった。
リレーのアンカーを走ったら、彼のファンクラブの女の子たちは大きく盛り上がることであろう。
「相手の青カラーのアンカーは相馬くんが走るんだ。僕も負けないようにがんばらなくちゃ」
ガーディアン時代は空海に背の高さも足の速さも到底追いつかなかったが、今ではいい勝負ができるほどに成長した唯世。去年のリレーでは空海率いる相手チームに負けたことにより、今年はリベンジに燃えていた。
「ふふ、がんばってね!空海よりも唯世を応援しちゃう」
空海をはじめ、生徒会メンバーのことは精一杯応援するつもりだが、やはり唯世のことを一番に応援したい。
「ありがとう、今年こそは赤カラーが優勝しよう」
そんな会話をしながら、仕事を終え学校へ戻った。
聖夜中生徒会のメンバーは、残り少ない日数で体育祭をさらに良いものとするために準備に追われていた。
空海とややは、会場設営における最終確認へ。なぎひこは各学年の体育委員とともに必要な器具の確認へ。あむとりまは、各チームの横断幕づくり。
そして唯世とこはるは、体育祭の宣伝ポスターを町内へ配りに出かけていた。
「聖夜中の体育祭って本当にすごいんだね・・・。まさかポスターまで制作するとは」
こはるにとっては聖夜中で初めての体育祭。その規模にいまだに驚きを感じていた。
「小等部のほうもかなり力を入れているけど中等部も負けてないからね。できる競技も多くなったし、盛り上がりはすごいことになると思うよ」
その分生徒会へのプレッシャーも大きいものだった。2か月以上時間をかけて計画してきた体育祭。それにかける思いはみな大きなものだった。
「でも、仕事と称して唯世とでかけられるなんてうれしいな」
「僕もうれしいよ。でもあんまりのんびりしているとみんなに怒られちゃうから、あと少し頑張って配りに行こうか」
「うん!」
町内会の集会所や、交番、カフェなどをめぐり、ポスターを掲示させてもらった。
その帰り道、唯世は思い出したかのように言った。
「そういえばこはるは二人三脚に出るんだよね。確か同じクラスの桜木くんとだったかな」
体育祭の競技決めの日、唯世と共に出場したかったこはるは二人三脚の女子メンバーに立候補したのだ。しかし当時のライバルあむも加わったことにより、男子の倍率が大きく跳ね上がり、相手役に唯世が選ばれることはなかった。こはるとあむ共に、関わりの少ない男子とペアになること決まったのである。
こはるとしては非常に不服なことであったが、桜木と共に練習を繰り返すたびに、彼の誠実で努力家なところには好感を持っていた。
「うん、練習もたまにしてるんだけどいい感じかも。今は1位を狙って頑張ってるよ」
何の悪気もなくいったが、唯世からすると自分の恋人が他の男子と密着する競技に出るということで、少し不満気になってしまった。
「ちょっと妬けちゃうな」
唯世がそんな風に言ってくれるのは初めてだったので、そのやきもちにこはるはうれしくなった。
「もともとは唯世と出場したかったんだよ?唯世のクジ運がなかったから・・・」
「あれだけの人数の中であたりを引くなんて難しいさ」
そう唯世は笑って答えた。
「唯世はリレーに出場するんだよね?」
こはる達クラスが所属する赤カラーのアンカーを務めることになった唯世。中学生になってから背も伸びて、足もかなり速くなった。
リレーのアンカーを走ったら、彼のファンクラブの女の子たちは大きく盛り上がることであろう。
「相手の青カラーのアンカーは相馬くんが走るんだ。僕も負けないようにがんばらなくちゃ」
ガーディアン時代は空海に背の高さも足の速さも到底追いつかなかったが、今ではいい勝負ができるほどに成長した唯世。去年のリレーでは空海率いる相手チームに負けたことにより、今年はリベンジに燃えていた。
「ふふ、がんばってね!空海よりも唯世を応援しちゃう」
空海をはじめ、生徒会メンバーのことは精一杯応援するつもりだが、やはり唯世のことを一番に応援したい。
「ありがとう、今年こそは赤カラーが優勝しよう」
そんな会話をしながら、仕事を終え学校へ戻った。