答えはどこに?2人の進み方
それから更に数日後。
今日はイクトと沙良の実習最終日だった。教室では、最後の時間を使ってお別れ会が行われていた。
「今日で最後なんて、寂しくなるね」
こはるはイクトに言った。
イクトはそこまで気にしていない様子だった。
「別に、会おうとすればいつでも会えんだろ」
その言葉に唯世もうれしそうに言った。
「確かにそうだね」
そんな中あむは少し寂しそうな顔をしていた。イクトと学校生活を共にするなんてことは初めてだったからだ。年齢差もあるので、この先このような経験をすることはないだろう。
そんなあむの様子に気づいたイクトはすかさず声をかける。
「なんだあむ、寂しいのか」
「べっ別に!そんなこと言ってない!」
「またすぐに会いに来てやるからそんな顔すんな」
唯世とこはるは、そのやりとりを少し驚いた表情で見つめていた。
この間の放課後きっと何かあったのだろう。2人にとって良いことが。
すると、生徒たちに囲まれていた沙良がやっと解放されたようで、こちらへ向かってきた。
警戒するあむだったが沙良はあむに手を差し伸べてきた。
「日奈森さんにもいろいろと助けてもらったね、ありがとう」
本心なのかイクトの前だからなのか、笑顔でそういってきた。あむはとまどいながらもその手を取った。
すると握られた手に沙良がめいいっぱいの力を込めた。
「ちょ、痛いんですけど?!」
そんなあむを気にも留めず沙良は続けていった。
「あらごめんなさい。やっぱり中学生は力が弱いものね」
ハラハラ見守っている唯世とこはる。イクトは耐えきれず間に入ろうと思った。しかし、あむは怯むことなくまっすぐ沙良を見つめて言った。
「佐藤先生には負けませんから、私」
その言葉に唯世こはる、そしてイクトも驚いた。
沙良はあむのまっすぐな瞳から本気の思いが流れ込んでくるような気がした。
そして自分の顔に笑みが浮かぶのを感じた。
「もうイクトくんには関わらないから。いろいろと悪かったわ」
そういって、再度クラスの輪に戻って行ってしまった。
あむは拍子抜けしたような感じがしたが、自分の本気が伝わったのだと思いほっとした。
イクトも、そんなあむをうれしそうに見つめていた。
今日はイクトと沙良の実習最終日だった。教室では、最後の時間を使ってお別れ会が行われていた。
「今日で最後なんて、寂しくなるね」
こはるはイクトに言った。
イクトはそこまで気にしていない様子だった。
「別に、会おうとすればいつでも会えんだろ」
その言葉に唯世もうれしそうに言った。
「確かにそうだね」
そんな中あむは少し寂しそうな顔をしていた。イクトと学校生活を共にするなんてことは初めてだったからだ。年齢差もあるので、この先このような経験をすることはないだろう。
そんなあむの様子に気づいたイクトはすかさず声をかける。
「なんだあむ、寂しいのか」
「べっ別に!そんなこと言ってない!」
「またすぐに会いに来てやるからそんな顔すんな」
唯世とこはるは、そのやりとりを少し驚いた表情で見つめていた。
この間の放課後きっと何かあったのだろう。2人にとって良いことが。
すると、生徒たちに囲まれていた沙良がやっと解放されたようで、こちらへ向かってきた。
警戒するあむだったが沙良はあむに手を差し伸べてきた。
「日奈森さんにもいろいろと助けてもらったね、ありがとう」
本心なのかイクトの前だからなのか、笑顔でそういってきた。あむはとまどいながらもその手を取った。
すると握られた手に沙良がめいいっぱいの力を込めた。
「ちょ、痛いんですけど?!」
そんなあむを気にも留めず沙良は続けていった。
「あらごめんなさい。やっぱり中学生は力が弱いものね」
ハラハラ見守っている唯世とこはる。イクトは耐えきれず間に入ろうと思った。しかし、あむは怯むことなくまっすぐ沙良を見つめて言った。
「佐藤先生には負けませんから、私」
その言葉に唯世こはる、そしてイクトも驚いた。
沙良はあむのまっすぐな瞳から本気の思いが流れ込んでくるような気がした。
そして自分の顔に笑みが浮かぶのを感じた。
「もうイクトくんには関わらないから。いろいろと悪かったわ」
そういって、再度クラスの輪に戻って行ってしまった。
あむは拍子抜けしたような感じがしたが、自分の本気が伝わったのだと思いほっとした。
イクトも、そんなあむをうれしそうに見つめていた。