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答えはどこに?2人の進み方

事件は昼休みに怒った。
聖夜学園では昼食時に学食へ行くか、お弁当を持参、または購買で食事を買うという3つの選択肢があった。
この日はこはる、唯世、あむの3人でお弁当を食べる日になっていた。そしてあむは、朝母親から受け取ったお弁当を確かにスクールバックに入れたはずだった。
しかし自分のお弁当が見当たらないのだ。クラスメイト達に聞いても知らないとのことなので、あむは仕方なく購買へお昼を買いに行くことにした。

「あむちゃんの大事なお弁当、どこにいってしまったのかしら」

「確かに朝ママさんから受け取ったもんね」

ダイヤとミキが深刻そうな顔で話す。
しかしランとスゥは久しぶりの購買にわくわくしていた。

「牛乳プリン食べたい―!」

「スゥはイチゴミルクが飲みたいですぅ」

そんな2人の様子にあむは呆れを感じながらも、購買へ急いだ。
お昼の時間ということで、かなりの生徒が購買にいた。あむはその中に埋もれながらも、なんとかパンを一つ手に入れることができた。

「プリンはー?」

ランはすこし不服そうに言った。あむはその言葉をスルーしていた。すると後ろから誰かに話しかけられた。

「日奈森さん、購買に行ってきたの?」

そこには、同じく購買で買い物をしたであろう佐藤沙良の姿があった。
先日の一件もあり、沙良に対しては苦手意識を持っているあむ。

「私も購買に行ってきたの。実は今日寝坊しちゃってお弁当を作れなかったのよね」

そんなことも知らずに沙良は話しかけてくる。
さすがに失礼な態度はとれないと、あむも極力笑顔で対応する。

「佐藤先生は一人暮らしなんですか?」

そんな質問に沙良も笑顔で答える。

「そうなの、大学生になってからね。毎日忙しくて大変よ」

そんな何気ない会話をしつつ教室へ向かっていたが、急に沙良が話題を変える。

「そういえば日奈森さんは、イクトくんと随分仲がいいのね」

急に出てきたイクトの話題にあむは一瞬驚きの声を上げる。しかしそこは、余計なことを悟られないように対応した。

「小学生の頃にたまたま知り合っただけで、年が離れてるから世話を焼いてくれてるだけです」

決して世話を焼かれているつもりはなかったが、不自然にならないようにそう答えるのが一番だと思った。
ラン達はそんな様子を不安そうに見守っている。

「そうよね。イクトくんが好きな人がいるっていうんだけど、まさか日奈森さんなわけないよね。大学生が中学生に恋をするなんてあり得ない」

そんな言葉があむの心を気づつける。

「前も大学で一番きれいって言われてる子にアピールされてたし」

あむの様子など気にもしないつもりで沙良は続ける。
さすがに耐えられなくなったあむは、友達を待たせているからと沙良に別れを告げ教室へ走り出した。

そんなあむを見て、佐藤沙良は小さく笑っていた。
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