談笑をしつつ家路を進んだ唯世とこはる。
しかし楽しい時間はあっという間。すでに家に着いてしまった。
寂しそうな顔をするこはるを見て、唯世は笑う。

「もう、そんな顔しないで。また明日会えるんだから」

「うん、明日の朝もいっしょに登校してくれる？」

とても不思議な感じだった。いっしょに登校するのはいつものことなのに、2人の関係が変わったことでこんなにも特別なものになるとは。

「もちろん。明日も一日がんばろう。あ、寝坊はしちゃだめだよ？」

若干揶揄いを含めた様子で唯世は言う。
しかし、そんな顔でさえかっこいいと思ってしまうので、恋の力とは偉大である。

「はーい。それじゃあまたね」

「うん、また明日」

唯世とこはるはそれぞれの家に帰宅した。

家に入った際にあいさつをしたが、返事は帰ってこなかった。両親と祖父は、家にはいないようだった。
いつものことなのでそこまで気には留めず、こはるは自室へと入った。
カバンを投げ捨てて勢いよくベットへダイブした。
これから唯世と恋人同士として過ごせることがうれしくてたまらなかった。


一方そのころ唯世は、自室のパソコンで恋人同士の過ごし方について検索をかけて、キセキを呆れさせていた。
唯世とこはる、2人の胸の中はこれからへの期待でいっぱいだった。