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ドキドキデート!育てる恋心

「これは・・・!」

唯世とこはるが見た光景はひどいものだった。
空中に浮かぶ×たまは2つ。その真下には、振り回されたベンチや小さな遊具が転がっていた。
公園内で遊んでいた人たちは、×たまから放たれたエネルギーを受け、気を失っているようだった。

「×たまが2つも・・・!」

「どうしよう、やっぱりあむちゃん達を呼ばないとダメかな」

どうすることもできない2人の前に、×たまが下りてくる。
そして、ゆっくりとひびが入り、中から×キャラが生まれてしまった。

「まずい、逃げるんだこはる!!」

唯世はこはるの手を取り逃げようとした。その瞬間×キャラが操った小さめの石が飛んできて、こはるの頭に直撃した。
こはるの頭から流れだした血を見て唯世は恐怖を感じた。

「こ、こはる!大丈夫?」

冷静さを失った唯世に、こはるは笑いかける。

「唯世、大丈夫だから。一旦逃げよう」

そういって再度走り始めた。
先ほどのベンチに戻ってきて、唯世はこはるを座らせた。

「とりあえずこのハンカチを当てて、血を止めるんだ」

「ごめん、唯世のハンカチ汚れちゃうね」

「そんなことはいいから、動かないでね」

この後どうするか思案をしているとき、×キャラが近づいてくる声が聞こえた。このまま2人で逃げ出せば、間違いなく公園の外に出た×キャラ達が暴れ出し、さらに被害が広がる。でも逃げなければこはるがさらに傷ついてしまう。キセキもいない。どうするか、唯世は考えた。
しかし、そこまで待ってくれる×キャラではなく、すぐに唯世達の目の前まで来た。
唯世もこはるも、もうここまでかと思った時、遠くから唯世を呼ぶ声が聞こえた。

「おーい、唯世ぇ!!」

キセキの声だった。他のしゅごキャラ達は姿が見えない。

「キセキ!どうしてここに」

「そんなことはどうでもいい。今ラン達が日奈森あむ達を呼びに行っている。キャラなりだ、唯世」

しゅごキャラ達は、自身の持ち主を呼びに行ってくれたようだ。キセキが来てくれた以上、逃げるという選択肢はなくなった。

ぼくのココロ『アンロック』

キャラなり プラチナロワイヤル

唯世はこはるを守るように、その前に立ちはだかった。
×たまが2人に向けて瘴気を放つ。

「ホーリークラウン!」

唯世も防御壁を放つ。

「ロワイヤルソード!」

唯世の持つ王冠のステッキが剣に変形する。

「ホーリーセイバー!!」

剣から大きな光が放出される。
今、唯世がこはるを守るために戦ってくれている。本当に王子様のようだ。
その時、遠くから唯世とこはるを呼ぶ声が聞こえた。
あむ達が駆けつけてくれたようであった。
その声に安心したこはるは、意識を失った。
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