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君の夢を教えて?叶える気持ち

「ということで、1週間後に発表会を行います。みなさんの夢について、原稿用紙にまとめてきてくださいね~」

夢、夢かぁ。
私の夢って何だろう。昔はお花屋さんとかお美容師さん、学校の先生とかいろいろ考えてたなぁ。
こはるは考えていた。夢について。
突如道徳の授業で課せられた題材。自分の夢について。
原稿用紙1~2枚でまとめて、1週間後にクラスのみんなの前で発表。

「ねぇ唯世。唯世は将来の夢って決まってるの?」

唯世が話し出す前にキセキが大きな声で答えた。

「それはもちろん世界征服だ!!唯世と僕が世界をこの手に収めるのだ!はっはっは」

「うん、まぁそんな感じかな。」

そういって唯世は笑った。

「世界征服かぁ。う、うん昔から変わらないよね。いいと思う」

唯世のことだから、うまい形に作文として仕上げてくるのであろう。私も何かやりたいことさえあればいいんだけど、特に思いつかないんだよな。

「こはるは昔からいろんなことに興味があったよね。お花屋さんとか。美容師になりたいって言って、僕の髪をいじるのに暫く夢中になってた時もあった」

「うっ。その節はご迷惑をおかけしました。唯世の髪さらさらで綺麗だから、それを口実に触りたかったんだろうなぁ」

「夢か」

そこにイクトがやってきた。
イクトも教育実習生として、生徒たちの相談に乗るように言われているようだ。

「イクト兄さん。兄さんは、今どんな夢を持っているの?」

唯世が尋ねる。イクトは少し考えるそぶりを見せてから答えた。

「そうだな。親父を探しつつ自分の音楽を極めるっていうのが夢か」

そんなイクトに今度はこはるが尋ねる。

「今の大学は音楽関係の大学なんですか」

「いや、違うな。正直大学は適当な近場に入っただけだ。俺のやりたい音楽は別に音大とかを出なくてもできるからな」

「イクトは自由に生きたいんだにゃー」

ヨルもやってきた。イクトの肩に乗って頭を掻いている。

「とにかく早いところ作文を完成させないと・・・」

ここ最近で一番の課題のような気がしたこはるであった。
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