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さすらいの黒猫さん?!揺れる心

そのころ、あむとイクトは・・・

「ここが購買です。昼休みはだいたい戦場のようになっていて、人気商品は早く来ないと売れ切れてますね」

一行は購買前に来ていた。
小等部にはなかった施設だ。ここ聖夜小で一番の人気商品は、カレーパン!近所のパン屋さんが焼き立てを運んできてくれるんだけどすごくおいしくて・・・じゃなくて、なにこの状況!?

「なんだか懐かしいねーイクトくん」

「そうだな」

佐藤さんイクトと距離近くない?
いや、別にいいんだけどっ!私には関係ないし、2人は大学が同じなんだし。

「あむちゃん、顔にですぎだよー」

「ショックで口が開いたままになってるですぅ」

「女の子としてしてはならない顔だね」

「あむちゃん、元気出して!イクトさん達待ってるわよ」

ラン達が声をかけるも、あむはどこか辛そうな顔をしていた。
沙良がもちろんそれに気づくわけはないが、イクトはあむの様子を見て心情を察していた。
なんとか平常心を保ちつつ、あむは校内の案内を終えた。

「ありがとう日奈森さん!助かったよ」

笑顔で沙良は言う。

「い、いえ。明日からもよろしくお願いします」

「ええ、こちらこそ!それじゃ私は帰るけど、イクトくんはどうする。いっしょにお茶でもしに行かない?」

その言葉にあむはまたどきっとする。このままイクトが沙良とともに行ってしまったらどうしよう。そんな思いが心を占めた。

「いや、俺はもう少しやることがあるから」

イクトははっきりと断りを入れて、あむの横に立った。

「分かった。じゃあまた明日!日奈森さん本当にありがとうね」

そういって沙良は去っていった。
横に立つイクトをあむは見上げる。

「い、行かなくてよかったの?友達なんでしょ」

そんなあむにイクトは笑いながら答える。

「行かねぇよ。だってお前、行ってほしくなさそうな顔してたじゃねーか」

「なっなにそれ。そんな顔してないし。バッカじゃないの!」

なんだ、安心した。イクト残ってくれた。
行ってほしくなかった。
なんか、私の知らないイクトを佐藤さんが知ってるの嫌だな。
って何考えてんだろ。これじゃあまるで私がイクトのことを・・・。

「まーた百面相してるにゃ。いーくと、もう行こうにゃ」
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