「はぁ、波乱の予感かぁ。何がおこっちゃうの～」

「もーあむちゃん気にしすぎだよ！」

「だって怖いじゃん！冴木のぶ子の占いだよ、ハズレなしだよ～」

朝の占いを見たあむは憂鬱な気持ちだった。外キャラでは占いなんて信じない、当たるはずないと豪語しているが、実際は信じているしよく振り回されていた。

「あむちゃんおはよう」

「唯世君・・・おはよう！」

「なんだか元気ない？」

「ううん！なんでもないの。元気元気」

「そう、よかった。そういえば今日、僕たちのクラスに転入生が来るみたいだよ」

季節は春、2年生になってからまだ日がたっていない。そんな中途半端な時期に転入生。小学生の頃はくせの強い転入生が多かった。今では大切な友達になっているが。

「へぇ、だからちょっとクラスのみんなざわざわしてるんだね。」

「気になる？お友達になれるといいね。」

「べ、べつに気になってなんかないし！ま、まぁ何か困ってたら助けてあげるくらいはしようかぁとか思ってないし。」

「ふふっ、そっか。あ、先生来たみたいだね。」

担任の先生が扉を開けて入ってくる。
その後ろに少女が一人。

「おおおおお」

クラスメイト達が歓声をあげる。
それもそのはずである。その少女が浮世離れした美しさをもつ少女であったからだ。

「はい、みんな静かに。今日からこのクラスの一員になる転入生を紹介します。さぁ花城さん、ご挨拶して。」

「・・・、花城こはるです。大山中学校から転校してきました。よろしくお願いします。」

「じゃあ花城さんの席は一番後ろの窓側の席です。隣の席は辺里くんだね。いろいろ教えてあげてね。」

いいなぁ転入生、唯世君の隣の席かぁ。そんなことを考えているあむを横目にこはるは自分の席へ歩いていく。

「こ、こはる？」

「唯世・・・？」

こはると唯世は同じくらい大きく目を開いておどろいていた。

「た、たたた・・・唯世ぇぇぇぇぇぇ」

そしてこはるはおもいっきり唯世に抱き着いた。