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刻巡りて神と人は出会う [ゼノバース2世界観]

ミゼル[うーん…!]
自室に戻ると慣れない相手をしていたせいか、疲れが溜まっており、僕はすぐさまベッドにダイブした。あの丘の上で寝転がり伸びをするのも気に入っているけど、やっぱり自室が一番落ち着く。僕は一息着くと、今日一番の出来事を振り返った。
ミゼル[それにしても……]
勢いよく飛び起きると、衝撃でギシッとベッドが軋んだ音がした。だが、考えていた事が先行し、そんな事等すぐに気にならなくなった。
ミゼル[ザマスがあんなにも興味を持つとはね…]
ちょっと意外だった。少し力を解放しただけで、あんなにも興味を持ってくれるとは思わなかったからだ。
ミゼル[これは案外、いける…かもしれないね。……ふぁあ]
少しは良くなる事を期待して、僕は眠りについた。

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翌日、いつもより早く起き、丘に向かうと其所にはまだ、ザマスの姿は無かった。時刻を確認すると、未明だった。
ミゼル[あの神様も流石にこの時間には起きてない…か。…母さん、やっとここまで来たよ]
今は亡き母の形見を手に取ると、僕は家族とのあの頃の幸せだった時間を思い出した。母と下町に初めて行った時の思い出や、父と共に仲間という大切な存在を知った時の記憶、兄と共に色々な場所に行って少しだけかもしれないけど、世界を知れたと思った時の記憶…僕達の幸せだった時間を奪っていった災厄…いや、絶望というべき存在を僕は忘れる事ができなかった。いつもいつもあの光景が頭の中を過ぎる。辛い…それ以外の言葉は見つからなかった。母が消えたあの日の記憶、たまたま時の界王神様に拾われたのが、幸いだったけど、兄さんは行方不明だ。
ミゼル[母さん…僕はどうすればいいの?僕はこれでいいの?僕は…!僕は…!!]
気の高まりを感じる、このまま力を解放してしまえば良いとでも思ってしまう。
ミゼル[駄目だ!!そんな事したら皆…!!!!]
???[ミゼル!!]
振り返ると、コントン都の回復及び、カウンセラー担当のヒィラがいた。
ミゼル[ヒィラ…!世話を掛ける、ね…!!!]
ヒィラ[大丈夫!心配しないで、アタシは貴方の味方だから!!!]
ヒィラが回復すると、気の高まりが収まっていくのを感じた。しばらくすると気分の高鳴りも落ち着いた。
ミゼル[ありがとうヒィラ。楽になったよ]
ヒィラ[それは良かった…!!]
安心し落ち着いていると、僕は遠くから迫って来ているザマスの気を感じた。
ミゼル[ヒィラ。もう行って大丈夫だよ]
ヒィラ[でも…!!]
ミゼル[お願いだ!行ってくれ…!]
ヒィラ[分かったわ]
承諾するとヒィラは去って行った。しばらく空を眺めていると、ザマスの気が降り立ったのを感じた。
ミゼル[遅かったね]
ザマス[神に向かって何という!!その口を慎め人間!!]
ミゼル[はいはい。それはごめんなさいね神様]
わざとっぽく言ってみたら、案の定イライラしだしたザマスを見て、悪くないなと思っていたら、先程の事を聞いた。
ザマス[それと人間貴様…先程、異様な気の高まりを感じたが、何をそんなに高めたのだ?]
僕はその質問にニヤつきながら答えた。
ミゼル[さあね…]
ザマス[そうか。ならばさっさと始めるぞ人間。試練開始だ]


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