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刻巡りて神と人は出会う [ゼノバース2世界観]

人間が私に何かを言おうとした時、先程いた方から、長髪で黒髪の小さい女の人間が此方に大声をあげながら、向かって来た。
ミゼル「!!!」
???「お師匠様ー!大丈夫ですか?!…さっきショップエリアの方で騒ぎがあったみたいで……!!」
人間の事を師匠と呼ぶ女は人間の胸に飛び込む。 
ミゼル「…大丈夫それは解決したから」
???「そうですか!!それなら良かったです!!」
ミゼル「心配かけてごめんね」
???「いえ!!問題ありません!!!……んー?」
女が此方に気づき、此方を眺めるように見つめて来る。
ザマス「……!」
ある程度見つめると、女は人間の方に向き直し、私の事を聞いた。
???「お師匠様。この方は?」
ミゼル「ああ…紹介してなかったね。師匠のザマスだよ」
???「成程!!お師匠様のお師匠様…という事ですね!!!それでは宜しくお願いしますね!!お師匠様のお師匠様!」
気安く寄ってくる女に私は後をずさる。
ザマス「…」
???「?返事はしないと良く無いですよ?お師匠様のお師匠様」
遠慮なく近寄って来る女…。少々の吐き気と、倦怠感が体を過ぎる。警告が流れるかのように、女に怒号を浴びせる。
ザマス「ぐっ?!!近寄るな!!」
???「?何故ですか?」
それでも近寄ってくる女に、怒りが湧いてくる。
ザマス「っ!?貴様…いい加減に……!!」
私が人間に再び怒号を浴びせようとした時に、また先程の女が来た方向から声が聞こえた。だが、今度は男の声だった。
????「そいつに近寄るなーっ!!!」
銀髪で短髪の顔に傷がある男は女に近寄り、何かを喋った。
???「?…なんで?」
????「そいつは…極度の潔癖症だからな」
???「へぇー。そうなのね」
????「後は…大罪人って言ったところか……」
大罪人という言葉に私の理性の糸が軋む音がした。
ザマス「!!貴様…!!」
ミゼル「ちょっと!ストップ!!ストーップ!!!」
人間が私の前に出て、仲裁を持ちかけた。すると、女が男に話しかけた。
???「スクード。この方はお師匠様のお師匠様みたいだよ?」
スクード「?!!…ミゼルさん、貴方は何故コイツがやった事を知っていて、師弟関係なんてものが…築けるんだ!!」
???「スクード…いいんじゃない?お師匠様の決めた事だし…」
スクード「良くねぇよ!!!お前は良いのかよ?!!シェイニー!!!」
人間共の煩い声が飛び交い、耳に響く。
ザマス「煩いぞ…!人間共っ!!
スクード「お前がうるせぇんだよ!!!邪神!!」
先程も不届きな事を言った男だが、それ以上のことをしでかし、ついに理性が切れた。
ザマス「じゃし?!………。貴様…!!神に対してそのような口をした事地獄の其処で後悔するがいい!!!」
ミゼル「あああっ?!!!それはダメだよ!!二人共落ち着こう!」
手に気を溜めだすと、人間は焦ったかのように仲裁に入った。だが、私にとってはどうでもいい事だ。それに私は今、この万死に対する男に処罰を下さねばという、感情が先行していたが為、気を害することしかなかった。
ザマス「貴様は黙ってろ!!!」
スクード「ミゼルさんは喋らないで下さい!!!」
シェイニー「はぁ…また始まったぁ。お兄ちゃんの喧嘩癖」
お互い気が高まると、人間は呆れるかのように、ため息をついた。
ミゼル「はぁ…。この場合は仕方ないかな」
そういうと、人間は完全に私と男の前に完全に入り込み、気を鎮めるるよう促す。
ミゼル「二人共ー、気を鎮めて」
が、殺伐とした空気は変わらない。
スクード「ミゼルさん!退いてください!!!」
ザマス「さっさと退け!!!人間!!…っ!?」
その時、また一瞬、神の気を漂う。
ザマス(この気は…!)
ミゼル「………。あのさぁ?」
スクード「?!お師匠様…!」
ミゼル「君たちの喧嘩を見ているのもアレだけど、周りに迷惑出してる方がちょっと、まずいからさー?…一時休戦してくれないかな?」
低い声で、喋る人間に臆したのか、さっきまで煩かった男は突然、大人しくなった。
スクード「!分かりました。ミゼルさん…。迷惑をかけてしまい、すみませんでした」
ミゼル「うん。こっちも急にこういう手段をとってごめんね。……ザマスはどう思うの?」
人間の暗いオッドアイの目が此方を覗き込む。
ザマス「………」
ミゼル「…ザマスー?」
なんとも言えない圧により、うちに秘めているものを抑え込み、人間の返答に答える。
ザマス「人間風情がしでかした事だ。これ以上、関わり合うつもりは無い!」
ミゼル「うん。分かった。…君にもごめんね。こんな事しちゃって…」
ザマス「フン…!!所詮、人間等それぐらいという事だ!!」
ミゼル「そっか…。じゃあ、改めて自己紹介ね!…二人共!この人がザマス。僕の師匠だよ!」
シェイニー「はい!!お師匠様のお師匠様ですね!!覚えました!!」
スクード「……」
どうでもいい時間に無駄を感じた私は、人間に立ち去りたいという事を申し出た。が…それは了承される事は無く。
ミゼル「まぁまぁ、そんな事言わずにさー。知識ぐらいは得て損はないと思うけど?」
ザマス「私にとって必要な知識ならな…」
ミゼル「案外いつか必要になるかもしれないよ?僕もそういう経験いっぱいあるし…。まぁいいや…!続けるね!!ザマス!この子達が僕の弟子です!!女の子の方が、シェイニーで、男の子の方が、スクードね!!」
勝手に事を進め出す人間に見ていて、怒りを通りこして、呆れが出てくる。
シェイニー「お師匠様のお師匠様!!宜しくお願いします!!」
スクード「………」
ミゼル「?スクードお返事」
スクード「ミゼルさん。悪いが俺はコイツに言う名前なんて無いね」
相変わらず癪に触ってくる男。心底怒りが湧いてくる。
ミゼル「……スクード?お返事は基本だよ?」
スクード「……はいはい分かりましたよ。スクード。あんたと関わる事は絶対に無いと思うが、一応ヨロシク…」
男の憎まれ口に私も返す。
ザマス「ああ。此方も貴様を視界に入れる事は無いだろうな…!」
ミゼル「ありがとうスクード。…んじゃ!陽も落ちて来た訳だし、此処で解散ね」
シェイニー「分かりました!!!では、また!行こう!スクードお兄ちゃん!!」
スクード「っておい?!!引っ張るなー!!」
あの人間共は先程の方向にガヤガヤしながら、帰っていった。
ミゼル「じゃ!ザマスもまたね…!ごめんね、トラブル続きで…」
人間が此方に向ける謝罪に私はこう返した。
ザマス「気にする事では無い。むしろ…此処にいる人間が断罪すべき対象という事が分かった」
正直に思っている事を言うと…人間は少しだけ、眉間にシワを寄せた。
ミゼル「うーん、そうか。ま!君や弟子達に何かあったら、僕が守るから!そこは安心して!!」
すぐに表情を変え、そういう事を簡単に言う人間に違和感を覚えた。よくわからない感情だと思いながらも、私は人間に答えた。「対して当てにならんな…」と。が、人間は相変わらずの間が抜けた顔で笑いながら答えた。
ミゼル「少しは期待してくれてるんだね。ありがとう」
気持ちが悪いと思いつつも、私は何も言わなかった。
ザマス「ふん」
ミゼル「じゃあね…ザマス。また明日」
そう言い人間と別れると、私はため息をついた。
ザマス「…はぁ」
会ったときから、そうだったが今回で確信に変わった。ああ…本当にーーー。
ザマス(面倒なものと関わってしまったものだ…)

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