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刻巡りて神と人は出会う [ゼノバース2世界観]

ザマス[…が、その前に此処から別の場所に移動するぞ]
此処コントン都では、基本舞空術は基本飛行ライセンスを持っていれば可能なのだが、戦闘や喧嘩は禁止されている。その為、先生の試験や修行を行うには別の場所に移動する事になっている。
ミゼル[まあそうだよね。此処で戦闘を行う事は絶対に駄目だからね…]
ザマス[…何をぶつくさ言っている!さっさと移動するぞ!]
ミゼル[はいはい。分かってますよー]
僕達は荒野のような空間に一瞬で移動した。
ミゼル(相変わらず…空間移動ってのは早いなぁ…)
一人で感心していると、横からザマスに指摘される。
ザマス[何をしている。さっさと構えろ]
ミゼル[……]
僕は何も言わずに構えると、ザマスが試験の合格内容を教えた。合格内容は僕がザマスからの攻撃に3分間耐えればいいらしい。
ザマス[…そうだ先に教えておいてやる。私は不死身だ。故にお前如き矮小な存在がどう足掻いたところで結果は決まっている。せいぜい逃げ惑うのだな…]
ミゼル(それくらい知ってるんだけどな)
僕の思ってる事を心にしまい、周りの状況と体の調子を確認する。
ミゼル(いけそうかな)
いけると判断した僕は構えを取る。
ザマス[こい人間…]
ミゼル[…]
試験開始の合図をすると、ザマスは僕の方めがけて気を纏いながら瞬時に近づき気の刃をで僕に斬撃をを行おうとするが、僕はその攻撃を気力を使い瞬間移動でかわし、ザマスの背後にまわる。そのまま背中にタックルし、遠くまで突き飛ばしその間に追撃を仕掛ける。
ミゼル(取った…!)
が、その瞬間、ザマスは僕の攻撃を避け、そのまま受け流し、背後から攻撃を仕掛けようとする。
ザマス[…甘いぞ!]
ミゼル[おっと!]
僕は間一髪の所で避けると、そのままザマスにアッパーと蹴りをお見舞いする。ある程度距離を取ると、連続気弾で追撃し、ザマスの墜落した地面は砂煙を上げた。
ミゼル[…]
しばらくすると、砂煙の中から影が立ち上がり、すぐさま此方に向かって来た。
ミゼル(フッ!そう来なくちゃね!!)
ザマス[何を笑っている!!直ぐにその笑みを消してやるぞ!!]
ミゼル[…でも時間が無いんじゃない?]
ザマス[黙れ!!]
ミゼル(残りは1分30秒くらいか…)
残り時間を確認すると、僕は再びザマスの背後にまわり込み、ダウンさせると、連続打撃や気弾技を繰り出し続けながら時間を抑えつつ、ダメージ与える。それでかれこれ30秒くらいが経った。
ミゼル(残り…1分)
ザマス[…ぐうっ!人間が…!!]
ミゼル[……]
文句を言い終わると、ザマスは直ぐに此方に向かってくる。
ミゼル(頭に血がのぼりやすい性格なのか。すぐにザマスは向かってくるな)
ザマス[考えている暇があるか!!]
ザマスの気の刃が僕の頬をかすり、痛みを感じる。
ミゼル[うっ…!!]
ザマス[隙だらけだぞ!!]
鳩尾に重いパンチを貰うと、僕は一気に岩盤に叩きつけられた。
ミゼル[ぐうっ!!…今のは効いたかな!…っ!?]
ザマス[気を抜くな…!!]
僕が立ち上がるのよりも早く神烈波を放たれ僕はダメージを受けた。
ミゼル[…くそ!…!ねぇザマス?残り時間を見た?30秒らしいよ!!]
神烈波が消える隙を見計らい、僕は気力を使い瞬間移動でザマスの背後にまわり、至近距離で気弾必殺技のファイナルフラッシュを放った。技が出し終わると僕はすぐに気を溜め直し、相手の出方を見る。
ミゼル(流石に息があがってきた…)
肩で息をし、呼吸を整えようとしていると、前から気配を感じ、すぐに横に避けた。
ミゼル[中々隙を与えてくれないね…]
ザマス[試練とはいえど、命が掛かっていると思え!!]
ミゼル[それは…ごもっとも!!!]
ザマスの気の刃と、僕の腕がぶつかり辺りに衝撃波が生まれ、砂煙が舞い散り、お互い中々食い下がらないせいか、力の押し合いになり、地面が割れる。
ミゼル[ぐうぅ!!]
ザマス[どうした人間!この程度か…?]
ミゼル(ちょっとムカつく…!!少しだけ力を解放するか)
ザマスの煽りに乗り、僕は感情に任せながらも、抑制しながら力を解放した。
ミゼル[…はあっ!!]
ザマス[…っ?!!なに!?]
力を込めると、ザマスは後ろに押されだした。地割れを起こしながら後退するザマス、その表情は悔しさと怒りが混じっているようだった。
ザマス[ぐう!!人間風情が!!!]
ミゼル(いける!!)
その時、僕が時間を見た瞬間、ザマスが止まった。それは何故なら、時間が終了し、試験が終わったからだ。
ミゼル(どうにか3分耐えられた!…久々だから響いたなぁ…!!)
ザマス[……。認めたくは無いが致し方あるまい。人間、試験合格だ]
ミゼル[!!やった!]
これでやっとザマスの弟子になれる、ザマスに近づける…そう思うと胸が高鳴った。そんな僕を他所にザマスは一人コントン都に帰ろうとしていた。
ザマス[何をしている?さっさと戻るぞ!]
ミゼル[!分かってるよ!!]
再び空間移動でコントン都に戻ると、ザマスと目があった。その目はキツく鋭いものだった。
ミゼル(予想通りの表情だなぁ…)
ザマス[人間]
ミゼル[?なに?]
ザマス[お前から神の気を感じる。…お前何者だ?]
ミゼル(ああやっぱり聞かれるよなぁ。上手く誤魔化すか…)
ミゼル[…そこについてはまだ、教えられないかな。君だっていきなりプライベートの事聞かれたら、嫌でしょ?]
僕が言い返すと、ザマスは図星なのか意見を飲み込んだ。
ザマス[仕方が無いな。…今回だけだ]
ミゼル[ありがとう。それと試験に合格したから、これで師弟になってくれるんでしょ?神に二言は無いよね?]
念の為、釘を刺しておくと、案の定ザマスは嫌な顔はしたが飲み込み認めてくれた。
ザマス[…いいだろう。師弟関係とまではいかんが、道具としては扱ってやる。感謝するのだな]
相変わらずの性格に少々呆れながらも、僕は軽く受け流す。
ミゼル[分かった分かった。じゃあこれから、宜しくね。ザマス]
ザマス[フン…!]
これが僕達が正式に師弟になった瞬間だった。この頃の僕達はまだ知らなかった。この後、いろいろな出会いや再会があることに、知らない所で敵が蠢いていることに。





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