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僕と君の昔話

何時ぞやの時が流れる感覚すら忘れ、私は書類に没 頭していた。
ザマス「これで全ての書類が終わったな」
書類の山を見ると、やり切ったという達成感と謎の空 虚感の二つの感覚が交差していた。
ザマス「本当に終わったのだな・・・」
これ以上思ってもどうしようもないと私はハムのいる 外の草原に向かった。ハムは今日も空を眺めている。 今までの表情は暗かったが、今日の表情は笑っていた が、どこか切なそうだった。
ザマス「ハム」
ハム「・・ザマス。ごめんね・・君の時間を急かせて・・」
ザマス「いや、大丈夫だ。私も最後にちゃんとハムと
喋りたかったからな」
そういうとハムは切ない笑みを浮かべながら、かえし
た。
ハム「うん」
ザマス「ハム」
私はハムの目線までしゃがむ。
ハム「ザマス?」
ザマス「お前には、本当に助けられた。だから、これ
からは私がお前を助けたい」
ハム「ザマス・・ありがとう・・!!でも、君が困っ
たり、悩んだりした時は、僕を頼ってね」
ザマス「わかった。そのようなことがないよう努める
が、私がそうなったら頼んだぞ?ハム」
ハム「うん・・!」
ザマス「それと・・」
ハム「?」
ザマス「私の友でいてくれるか?」
思いもよらない問だったのか、ハムは目を丸める。
ハム「え?どういうこと?」
ザマス「私はこれから、界王神見習いという前代未聞
のことを為さねばならない。おそらく、お前と会える
ことも少なくなるだろう。いや・・もしかしたら、も
う会えんやもしれん・・・。それでも、私を友と呼ん
でくれるか?」
ザマス「?!ハム?」
ハムは真剣な顔をすると、私を優しく包み込みながら、
囁いた。
ハム「ザマスに何があっても、君は僕の友達で大事な
人だよ。だから・・・だから、大丈夫だよ」
ザマス「ハム・・!」
ハム「ザマスっ・・!!」
ハムは抱擁を解くと、涙を流しながら、思いを伝える。
ハム「僕、君と別れるのは、とても悲しい・・。だけ
ど僕、君のこと信じてるから!君とまた会えて笑える
って、そう信じてるから!だから、頑張ってね」
ザマス「ああ・・!無論だ!また会えるその日まで私
は、界王神様の元で学び努めよう!だから、それまで
の間まで待っていてくれるか?」
ハム「待つよ・・!いつ幾度の時が廻ろうとも・・!」
私は知らぬ間に溢れ出てきた雫を隠すように、即座にハムに抱擁し返した。
ザマス「今まで本当にありがとう・・!いつかまた会おう!!」
ハム「僕からも、ありがとう。また会おうね・・!ザマス!!」
その瞬間、暖かい日の光が、私達二人を暖かく包み込んだ。
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