April fool
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社内で部署もフロアも違う奴がやけにご機嫌で俺より早く会社にいる。
しかも、あろうことか俺のデスクに凭れてやがる。
すぐさまデスクから引き離すとぶーたれていたが知るか。
アルコール消毒が早急に必要で重要だ
。
いつも清潔気を配り、保っているのに朝から気分は最悪だ。
無視して消毒液のスプレーボトルをデスクの引き出しから出して念入りに拭き、その後、消毒効果のあるウエットティッシュで仕上げていく。
それを呑気に見ている元凶のハンジは自分のフロアに戻る様子はない。
ちくしょう。仕事の前に飲む紅茶も不味くなるだろうが。
給湯室で気に入っている茶葉を取り出し淹れる準備をしているがハンジは俺について回って鬱陶しい。
鼻歌かなんか知らん音を出す口を縫い付けてやろうか。マジで検討しているが流石にやめる。いつもより強めに蹴りでも入れとくか。これならほぼ毎日のことで抵抗もない。
丁寧に紅茶を淹れ、カップに注ぐ段階でニヤニヤとしたハンジが爆弾を落としてきた。
「そんなことしてる場合かなぁー。君の大事なカズサが今夜、男と待ち合わせの約束してるのにねー!」
は?何を言ってんだ?
意味が理解できない。
相変わらずニヤニヤと感じの悪い笑みを浮かべもう一度、同じことを言いやがるハンジに邪悪さすら感じる。
「余計なお世話だったかなー。ま、検討を祈るっ!」
我に変えるとハンジは居なくなっていて、紅茶は飲まなくても渋味しかない水色だ。きっと飲めたもんじゃない。
紅茶をシンクに溢してカップを洗い片付けても現実味がなく頭痛がする。
※※※
カズサは俺の大事な恋人だ。
いい寄ってくる女達と比べるのも馬鹿らしいと思って大事に大切にして、結婚願望のなかった俺が唯一、行く行くは結婚したいとプロポーズを真剣に考えてる。
その、カズサが?いや、俺をからかおうとハンジのたちの悪い嘘に決まっている。そうに決まってる。
※※※
嘘だと思ってもカズサが他の男といる想像だけで相手を殺したくなる。
これではハンジの思うつぼだとわかっていてもぐるぐると頭の中に居座って仕事にも集中できない。
普段ならしない些細なミスを繰り返す俺に周りは心配の目をしてるのも分かっちゃいるが余裕がない。
昼休みにカズサに今夜、食事でもどうか。と試しているような罪悪感を抱えながら敢えてメールではなくLineを送ってみるが返事は今日は無理です、ごめんなさい。と申し訳なさそうな返事が返ってきた。
信じてる。疑うことも一切ない。
何か、何か今日は急ぎの……例えば締切が今日で仕事が押してるのだ。
詳しく知りたいが俺もカズサも社会人だ仕事の邪魔はできない。
こんな時どうして同じ会社で働いていないのか。と思うあたりが俺の弱さだ。
ミスを何とか処理するも次から次へと今日やっておく仕事が舞い込んでくる。心の中で罵倒しながらミスがないよう気をつけながらいつもより早くこなしていく。それでも仕事が終わらないのはハンジの部署からのレスポンスが遅く催促してもなかなかこない。
我慢できず直接怒鳴り込みにいくができていないもんはどうしようもない。
怯えたように頭を下げるモブリットには悪いがハンジを締め上げようとするもこんな時に限って社外にでているとのことで余計にイライラが止まらない。
とにかく早くデータを送れ。とモブリットに圧をかけ、自分の部署に戻る。
やっとデータがきて最速で処理するも終業時間はすでに過ぎ、夕食時に近い時間になってしまった。
クソが。と会社を出るとスマホが鳴る。
送り主は元凶のハンジで『カズサは家にいるよ〜』と如何にも面白がっているのが丸わかりなラインを送ってきやがった。
乗せられているのはわかっている。だがどうしても腹の奥にどす黒いもんが溜まってカズサに会って抱きしめたくて仕方ない。
俺の自宅と反対方向のカズサの自宅へまっすぐ向かうともう帰って来ているのかカズサの部屋には明かりが付いている。
付き合ってすぐ、ねだった合鍵で事前連絡もしないでカズサの部屋の鍵を開ける。
静かに入るとリビングに続く廊下から気を許したようなカズサの笑い声と男の声が聞こえる。
目の前が真っ暗になって足のちからも抜けそうだがここまで来て回れ右しても意味もない、そして俺はカズサといる度にこの嫉妬と付き合っていくしかなくなる。
覚悟を決めドアを開けると、カズサと男が対面で食事をしている。見ているものが幻覚で夢でも見ているじゃねぇか。軽い現実逃避しているとカズサも男もにこやかな笑みをむけてきた。
冗談だろ、なんでだ?なんで笑ってんだ。
次の行動は早かった。無言で男の胸ぐらを締め上げるとカズサが止めながら俺の腕を引き剥がそうとしている。
それが悔しくて虚しくて苦しそうな顔の男から手を離す。
ドサリと尻から落ちた男にかけ寄るカズサの姿に呆然としながらもうこの様子をみてられず部屋を出ようと玄関に向かう。
「お兄ちゃん、大丈夫!!」
お兄ちゃん??お兄ちゃんは兄をいみする単語だ。
振り返ると咽ている(お兄ちゃん)をカズサが背をさすっている。
大丈夫だ。と手をカズサに振ると(お兄ちゃんは)俺に目を向けた。カズサも俺をいつもと違う目で見ている。
動けない俺に(お兄ちゃん)は苦しそうではあるが笑顔を見せた。
その笑顔がカズサに似ている。
「君がリヴァイ君かな?カズサからよく惚気話は聞いているよ」
「今夜は会えないってちゃんと返したよね」
(お兄ちゃん)とは違ってカズサは怒っている。
カズサを(お兄ちゃん)は「俺だって彼女の部屋に男がいたら殴るよ」と宥めている。
蓋を開けてみれば、出張でこっちに来ていた兄が一人暮らしのカズサと久々にあっていた、こっちでちゃんと生活できているか。と来たとのこと。
まだ少しカズサは怒っているが兄はにこやかに俺に接しカズサをよろしく。と言ってカズサにそう怒るものじゃない。と窘めてさえいる。
俺にできるのは謝罪の土下座。
兄は謝罪を快く受け入れ、むしろカズサがちゃんと誰が来るかを知らせてなかったのが悪い。とさえ言っている。
次第に緩んでいく空気に助けられながらカズサとカズサの兄とこれまでの経緯と再度謝罪した。
カズサの兄はそろそろ宿泊先のホテルに戻ると言って俺にも紛らわしくて済まなかったね。と言って出ていった。
残された俺とカズサの空気はまた重くなり、カズサからちゃんと知らせなかったのは悪かったが、こんなことは二度としないで。と釘を刺され、心を込めて二度としないと誓った。
一種の修羅場に似合わない着信音がカズサのスマホから鳴りスピーカーにしたカズサのスマホからは能天気で今すぐ締め上げたいハンジが「エイプリル フール!!」と叫んで切れた。
つまりは、ハンジにカズサが兄が来ると言っていたので俺を面白おかしくからかって、朝も早くからくだらん仕掛けをした。ということになる。
ハンジには何度も殺意を抱いたが今まで以上の殺意を覚えたことはない。表情にでていたのか、カズサは「だめだよ」と先手を打つ。
そう言われてしまえばハンジを半殺しにできないが蹴りの一発、二発くらいはしてもいいだろう。
カズサに再度誤り、今日一日のことを話すと「信じられてなかった」ことに泣きだしそうな顔をしている。
済まない、悪かった。嘘に聞こえるかもしれないが信じてる。心が狭いと言われても仕方ないが嫉妬でどうにかなりそうになって抱きしめたかった。と言うとまだカズサは信じられていなかったと悲しそうにしていたが抱きしめて許しを乞うた。
その後は少しカズサも自分もちゃんと説明もしていなかったし。とお互いに惚れた弱みで仲直りをした。これからはどんなこと些細なことでもちゃんと話すし不安がないようにすると約束(俺は誓い)して、その夜はカズサの部屋に泊まらせてもらい抱きしめ眠りについた。
※※※
翌日、昨日と同じく俺のデスクでニンマリとしているハンジがいた。「その様子だとうまく引っかかってくれたみたいだね、ぷっ。本当のfoolだ」
もとはと言えば全部てめぇのせいじゃねえか。
沸々と湧き上がる怒りをぶつけようとすると「あ、カズサに告げ口しちゃおうっかな」と言っていた。
行き場を失った怒りは大量の仕事をハンジに回し、絶対に今日は帰れないようにした。
ハンジにはあまり効かないだろうがせめて仕返しはしたと自分に言い聞かせた。
※※※
カズサの兄にもういいよ。気にしてないから。と言われたが後日謝罪の品と会いに行き何度目かの謝罪をした。
それから、同棲の話をしてみると「俺は問題なし、一応親父に許可は取ってね」と軽いノリで言われた。
カズサの家族は結構寛大なのか、カズサが以前から俺について話していたこと、自分も俺と一緒に居たいと説得すると許可してくれ、今の俺の部屋では二人では手狭なのとカズサの職場が遠くなるので、週末は不動産めぐりをしている。
そして俺は決してハンジに新居は絶対に知らせないと決め、カズサにもハンジの連絡先を消して欲しいと柄にもなくお願いをしたが、「ハンジさんは友達だし会社でのリヴァイさんのことを教えてくれて、仕事の時のリヴァイさんのことも教えてくれるからダーメ」と断られてしまった。
せめてハンジが言ったことは教えて欲しいこと。簡単に信用しないでくれと言ったら、「リヴァイこそ気をつけて」とカズサは笑った。
その後、ハンジにはカズサに余計なことを吹き込んだりするなと念をおし、今回のようなことがあれば、容赦なく潰す。と言っておいた。
ケラケラと笑いながら「いっやー。もう手の込んだことはしないよー」と不安になることを言うので三発蹴りをおみまいした。
「痛ってぇー」と叫んでいるが知ったことか。
そもそも俺がエイプリルフールなんぞ知っているわけないだろ。
これは俺の史上最悪なたちの悪いエイプリルフールで今でもこの時期にはハンジに目を光らせている。
しかも、あろうことか俺のデスクに凭れてやがる。
すぐさまデスクから引き離すとぶーたれていたが知るか。
アルコール消毒が早急に必要で重要だ
。
いつも清潔気を配り、保っているのに朝から気分は最悪だ。
無視して消毒液のスプレーボトルをデスクの引き出しから出して念入りに拭き、その後、消毒効果のあるウエットティッシュで仕上げていく。
それを呑気に見ている元凶のハンジは自分のフロアに戻る様子はない。
ちくしょう。仕事の前に飲む紅茶も不味くなるだろうが。
給湯室で気に入っている茶葉を取り出し淹れる準備をしているがハンジは俺について回って鬱陶しい。
鼻歌かなんか知らん音を出す口を縫い付けてやろうか。マジで検討しているが流石にやめる。いつもより強めに蹴りでも入れとくか。これならほぼ毎日のことで抵抗もない。
丁寧に紅茶を淹れ、カップに注ぐ段階でニヤニヤとしたハンジが爆弾を落としてきた。
「そんなことしてる場合かなぁー。君の大事なカズサが今夜、男と待ち合わせの約束してるのにねー!」
は?何を言ってんだ?
意味が理解できない。
相変わらずニヤニヤと感じの悪い笑みを浮かべもう一度、同じことを言いやがるハンジに邪悪さすら感じる。
「余計なお世話だったかなー。ま、検討を祈るっ!」
我に変えるとハンジは居なくなっていて、紅茶は飲まなくても渋味しかない水色だ。きっと飲めたもんじゃない。
紅茶をシンクに溢してカップを洗い片付けても現実味がなく頭痛がする。
※※※
カズサは俺の大事な恋人だ。
いい寄ってくる女達と比べるのも馬鹿らしいと思って大事に大切にして、結婚願望のなかった俺が唯一、行く行くは結婚したいとプロポーズを真剣に考えてる。
その、カズサが?いや、俺をからかおうとハンジのたちの悪い嘘に決まっている。そうに決まってる。
※※※
嘘だと思ってもカズサが他の男といる想像だけで相手を殺したくなる。
これではハンジの思うつぼだとわかっていてもぐるぐると頭の中に居座って仕事にも集中できない。
普段ならしない些細なミスを繰り返す俺に周りは心配の目をしてるのも分かっちゃいるが余裕がない。
昼休みにカズサに今夜、食事でもどうか。と試しているような罪悪感を抱えながら敢えてメールではなくLineを送ってみるが返事は今日は無理です、ごめんなさい。と申し訳なさそうな返事が返ってきた。
信じてる。疑うことも一切ない。
何か、何か今日は急ぎの……例えば締切が今日で仕事が押してるのだ。
詳しく知りたいが俺もカズサも社会人だ仕事の邪魔はできない。
こんな時どうして同じ会社で働いていないのか。と思うあたりが俺の弱さだ。
ミスを何とか処理するも次から次へと今日やっておく仕事が舞い込んでくる。心の中で罵倒しながらミスがないよう気をつけながらいつもより早くこなしていく。それでも仕事が終わらないのはハンジの部署からのレスポンスが遅く催促してもなかなかこない。
我慢できず直接怒鳴り込みにいくができていないもんはどうしようもない。
怯えたように頭を下げるモブリットには悪いがハンジを締め上げようとするもこんな時に限って社外にでているとのことで余計にイライラが止まらない。
とにかく早くデータを送れ。とモブリットに圧をかけ、自分の部署に戻る。
やっとデータがきて最速で処理するも終業時間はすでに過ぎ、夕食時に近い時間になってしまった。
クソが。と会社を出るとスマホが鳴る。
送り主は元凶のハンジで『カズサは家にいるよ〜』と如何にも面白がっているのが丸わかりなラインを送ってきやがった。
乗せられているのはわかっている。だがどうしても腹の奥にどす黒いもんが溜まってカズサに会って抱きしめたくて仕方ない。
俺の自宅と反対方向のカズサの自宅へまっすぐ向かうともう帰って来ているのかカズサの部屋には明かりが付いている。
付き合ってすぐ、ねだった合鍵で事前連絡もしないでカズサの部屋の鍵を開ける。
静かに入るとリビングに続く廊下から気を許したようなカズサの笑い声と男の声が聞こえる。
目の前が真っ暗になって足のちからも抜けそうだがここまで来て回れ右しても意味もない、そして俺はカズサといる度にこの嫉妬と付き合っていくしかなくなる。
覚悟を決めドアを開けると、カズサと男が対面で食事をしている。見ているものが幻覚で夢でも見ているじゃねぇか。軽い現実逃避しているとカズサも男もにこやかな笑みをむけてきた。
冗談だろ、なんでだ?なんで笑ってんだ。
次の行動は早かった。無言で男の胸ぐらを締め上げるとカズサが止めながら俺の腕を引き剥がそうとしている。
それが悔しくて虚しくて苦しそうな顔の男から手を離す。
ドサリと尻から落ちた男にかけ寄るカズサの姿に呆然としながらもうこの様子をみてられず部屋を出ようと玄関に向かう。
「お兄ちゃん、大丈夫!!」
お兄ちゃん??お兄ちゃんは兄をいみする単語だ。
振り返ると咽ている(お兄ちゃん)をカズサが背をさすっている。
大丈夫だ。と手をカズサに振ると(お兄ちゃんは)俺に目を向けた。カズサも俺をいつもと違う目で見ている。
動けない俺に(お兄ちゃん)は苦しそうではあるが笑顔を見せた。
その笑顔がカズサに似ている。
「君がリヴァイ君かな?カズサからよく惚気話は聞いているよ」
「今夜は会えないってちゃんと返したよね」
(お兄ちゃん)とは違ってカズサは怒っている。
カズサを(お兄ちゃん)は「俺だって彼女の部屋に男がいたら殴るよ」と宥めている。
蓋を開けてみれば、出張でこっちに来ていた兄が一人暮らしのカズサと久々にあっていた、こっちでちゃんと生活できているか。と来たとのこと。
まだ少しカズサは怒っているが兄はにこやかに俺に接しカズサをよろしく。と言ってカズサにそう怒るものじゃない。と窘めてさえいる。
俺にできるのは謝罪の土下座。
兄は謝罪を快く受け入れ、むしろカズサがちゃんと誰が来るかを知らせてなかったのが悪い。とさえ言っている。
次第に緩んでいく空気に助けられながらカズサとカズサの兄とこれまでの経緯と再度謝罪した。
カズサの兄はそろそろ宿泊先のホテルに戻ると言って俺にも紛らわしくて済まなかったね。と言って出ていった。
残された俺とカズサの空気はまた重くなり、カズサからちゃんと知らせなかったのは悪かったが、こんなことは二度としないで。と釘を刺され、心を込めて二度としないと誓った。
一種の修羅場に似合わない着信音がカズサのスマホから鳴りスピーカーにしたカズサのスマホからは能天気で今すぐ締め上げたいハンジが「エイプリル フール!!」と叫んで切れた。
つまりは、ハンジにカズサが兄が来ると言っていたので俺を面白おかしくからかって、朝も早くからくだらん仕掛けをした。ということになる。
ハンジには何度も殺意を抱いたが今まで以上の殺意を覚えたことはない。表情にでていたのか、カズサは「だめだよ」と先手を打つ。
そう言われてしまえばハンジを半殺しにできないが蹴りの一発、二発くらいはしてもいいだろう。
カズサに再度誤り、今日一日のことを話すと「信じられてなかった」ことに泣きだしそうな顔をしている。
済まない、悪かった。嘘に聞こえるかもしれないが信じてる。心が狭いと言われても仕方ないが嫉妬でどうにかなりそうになって抱きしめたかった。と言うとまだカズサは信じられていなかったと悲しそうにしていたが抱きしめて許しを乞うた。
その後は少しカズサも自分もちゃんと説明もしていなかったし。とお互いに惚れた弱みで仲直りをした。これからはどんなこと些細なことでもちゃんと話すし不安がないようにすると約束(俺は誓い)して、その夜はカズサの部屋に泊まらせてもらい抱きしめ眠りについた。
※※※
翌日、昨日と同じく俺のデスクでニンマリとしているハンジがいた。「その様子だとうまく引っかかってくれたみたいだね、ぷっ。本当のfoolだ」
もとはと言えば全部てめぇのせいじゃねえか。
沸々と湧き上がる怒りをぶつけようとすると「あ、カズサに告げ口しちゃおうっかな」と言っていた。
行き場を失った怒りは大量の仕事をハンジに回し、絶対に今日は帰れないようにした。
ハンジにはあまり効かないだろうがせめて仕返しはしたと自分に言い聞かせた。
※※※
カズサの兄にもういいよ。気にしてないから。と言われたが後日謝罪の品と会いに行き何度目かの謝罪をした。
それから、同棲の話をしてみると「俺は問題なし、一応親父に許可は取ってね」と軽いノリで言われた。
カズサの家族は結構寛大なのか、カズサが以前から俺について話していたこと、自分も俺と一緒に居たいと説得すると許可してくれ、今の俺の部屋では二人では手狭なのとカズサの職場が遠くなるので、週末は不動産めぐりをしている。
そして俺は決してハンジに新居は絶対に知らせないと決め、カズサにもハンジの連絡先を消して欲しいと柄にもなくお願いをしたが、「ハンジさんは友達だし会社でのリヴァイさんのことを教えてくれて、仕事の時のリヴァイさんのことも教えてくれるからダーメ」と断られてしまった。
せめてハンジが言ったことは教えて欲しいこと。簡単に信用しないでくれと言ったら、「リヴァイこそ気をつけて」とカズサは笑った。
その後、ハンジにはカズサに余計なことを吹き込んだりするなと念をおし、今回のようなことがあれば、容赦なく潰す。と言っておいた。
ケラケラと笑いながら「いっやー。もう手の込んだことはしないよー」と不安になることを言うので三発蹴りをおみまいした。
「痛ってぇー」と叫んでいるが知ったことか。
そもそも俺がエイプリルフールなんぞ知っているわけないだろ。
これは俺の史上最悪なたちの悪いエイプリルフールで今でもこの時期にはハンジに目を光らせている。
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