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ペルソナ5 短編
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「結婚してみたい。」
「いきなりどうした。」
「白無垢とウエディングドレス、どっちがいい?」
ルブラン2階の怪盗団のアジトにて。雑談の一つとして呟いた私の一言に、各々別の反応をみせた。……蓮がなぜか私との結婚に乗り気なのなんなの?付き合ってないよね、私たち。
「俺はななしの白無垢が見たい。」
「いや、祐介も蓮の冗談に乗せられないでよ。」
「冗談?俺はいつでも本気だけど?」
「はいはい。」
「で、いきなりどうして結婚したいなどと?」
話の先を促してくれる祐介、ありがたい。他のメンバーといる時は祐介が話を横道に逸らすのに、蓮と三人でいる時は何故か祐介以上に蓮がポンコツになるので、祐介が比較的いつもよりマトモになる。いつもこうだといいのに。
「いやね、結婚は人生の墓場って言うでしょ?なら、結婚してみたら擬似的な死を体感出来るんじゃないかと思って。」
「俺ならななしを死なせないし、そんなつまらない人生を送らせない。」
「俺も……まぁ、金銭面は自信が無いが、物質で満たす人生ではなく心が彩られる人生を、ななしと共に歩んで行こうと思う。」
「はぁ〜〜……。」
なんとなく、普段から二人の好意がこちらに向いてるのは知ってたけど、付き合ってもないのにそういう事言う?いつの間にかプロポーズ合戦になってるし、二人ともキラキラとした表情で私を見てるし。何を期待しとるんだ。
「まー、仮に!もしも!万が一!私が二人のどちらかと結婚したとして!……二人は、私が死んでも冥界まで迎えに来そうだよね。」
「オルフェウスみたいに?」
「伊邪那岐みたいにか。」
二人の声がハモる。オルフェウスも伊邪那岐も……確か蓮の持っている仮面だったな。
「でも、二人とも冥界から連れ戻す前に、我慢できずに奥さんの方振り返っちゃうんだよね……。」
「俺は待てが出来る男だ。」
「そんなドヤ顔で言われても。それに、オルフェウスも伊邪那岐も蓮のもう一人の君 じゃん。」
「厳密には俺のペルソナじゃない。」
「なんか、それ言っちゃおしまいな気がする。」
「うむ……ななしが不安だというなら、俺たち二人で迎えに行こう。振り向きそうになった時、注意し合えばいい。」
あ、祐介もポンコツになった。何故か二人で迎えに来るとか言ってる。迎えに行くとか行かないとかそういう話だっけ?……雑談だし、まぁいいか。
「なに?じゃあ、蓮と祐介が私の夫になるの?」
「俺は祐介も抱ける。三人で結婚しよう。」
「……俺は抱かれる側なのか……。」
「なんか話が変な方向になってない?プリンパって現実世界でも影響するっけ?」
「俺はいつでも本気って、さっきも言っただろ。」
「本気だとしたら相当怖いんだけど。」
「俺だって蓮を抱けるッ!……ぁいたっ!!何故、俺だけ……っ!」
プリンパじゃなくテンタラフーだったか。変なことを言い出した祐介に、ハリセンカバーならぬ鉄拳カバーをする。真直伝のワザだ、よく効いてる。ついでに蓮にも鉄拳カバーしようとしたら、余裕で避けられた。ムカつく。
「もーそろそろみんな来るし、下らない話はおしまいね。モルガナなんか、早々に寝に入ってたし。」
「高校卒業したら三人で住む部屋を探しておかないとな。」
「俺はアトリエが欲しい。落ち着いて作品を制作出来る環境があると落ち着く。」
将来に思いをはせる二人は放っといて、皆がアジトに集まるまで現実逃――モルガナを撫でることにした。嫌そうな顔しないでモルガナ。私も嫌なんだよ、このモードの時の二人。
高校卒業間近になって、三人(と、モルガナの計四人)で住む計画が水面下で着々と行われていた事が発覚して、蓮が本当に本気で言ってたのだと思い知った。
―――――――
2025/07/04
「いきなりどうした。」
「白無垢とウエディングドレス、どっちがいい?」
ルブラン2階の怪盗団のアジトにて。雑談の一つとして呟いた私の一言に、各々別の反応をみせた。……蓮がなぜか私との結婚に乗り気なのなんなの?付き合ってないよね、私たち。
「俺はななしの白無垢が見たい。」
「いや、祐介も蓮の冗談に乗せられないでよ。」
「冗談?俺はいつでも本気だけど?」
「はいはい。」
「で、いきなりどうして結婚したいなどと?」
話の先を促してくれる祐介、ありがたい。他のメンバーといる時は祐介が話を横道に逸らすのに、蓮と三人でいる時は何故か祐介以上に蓮がポンコツになるので、祐介が比較的いつもよりマトモになる。いつもこうだといいのに。
「いやね、結婚は人生の墓場って言うでしょ?なら、結婚してみたら擬似的な死を体感出来るんじゃないかと思って。」
「俺ならななしを死なせないし、そんなつまらない人生を送らせない。」
「俺も……まぁ、金銭面は自信が無いが、物質で満たす人生ではなく心が彩られる人生を、ななしと共に歩んで行こうと思う。」
「はぁ〜〜……。」
なんとなく、普段から二人の好意がこちらに向いてるのは知ってたけど、付き合ってもないのにそういう事言う?いつの間にかプロポーズ合戦になってるし、二人ともキラキラとした表情で私を見てるし。何を期待しとるんだ。
「まー、仮に!もしも!万が一!私が二人のどちらかと結婚したとして!……二人は、私が死んでも冥界まで迎えに来そうだよね。」
「オルフェウスみたいに?」
「伊邪那岐みたいにか。」
二人の声がハモる。オルフェウスも伊邪那岐も……確か蓮の持っている仮面だったな。
「でも、二人とも冥界から連れ戻す前に、我慢できずに奥さんの方振り返っちゃうんだよね……。」
「俺は待てが出来る男だ。」
「そんなドヤ顔で言われても。それに、オルフェウスも伊邪那岐も蓮の
「厳密には俺のペルソナじゃない。」
「なんか、それ言っちゃおしまいな気がする。」
「うむ……ななしが不安だというなら、俺たち二人で迎えに行こう。振り向きそうになった時、注意し合えばいい。」
あ、祐介もポンコツになった。何故か二人で迎えに来るとか言ってる。迎えに行くとか行かないとかそういう話だっけ?……雑談だし、まぁいいか。
「なに?じゃあ、蓮と祐介が私の夫になるの?」
「俺は祐介も抱ける。三人で結婚しよう。」
「……俺は抱かれる側なのか……。」
「なんか話が変な方向になってない?プリンパって現実世界でも影響するっけ?」
「俺はいつでも本気って、さっきも言っただろ。」
「本気だとしたら相当怖いんだけど。」
「俺だって蓮を抱けるッ!……ぁいたっ!!何故、俺だけ……っ!」
プリンパじゃなくテンタラフーだったか。変なことを言い出した祐介に、ハリセンカバーならぬ鉄拳カバーをする。真直伝のワザだ、よく効いてる。ついでに蓮にも鉄拳カバーしようとしたら、余裕で避けられた。ムカつく。
「もーそろそろみんな来るし、下らない話はおしまいね。モルガナなんか、早々に寝に入ってたし。」
「高校卒業したら三人で住む部屋を探しておかないとな。」
「俺はアトリエが欲しい。落ち着いて作品を制作出来る環境があると落ち着く。」
将来に思いをはせる二人は放っといて、皆がアジトに集まるまで現実逃――モルガナを撫でることにした。嫌そうな顔しないでモルガナ。私も嫌なんだよ、このモードの時の二人。
高校卒業間近になって、三人(と、モルガナの計四人)で住む計画が水面下で着々と行われていた事が発覚して、蓮が本当に本気で言ってたのだと思い知った。
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2025/07/04
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