電話で5題
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空港から
旅の途中のホテルから
――病院から
いつも、「ななし?」から始まる彼との会話。
彼、花京院典明は"勝手な人だ。…いや、"だった"。
初めて会ったとき、彼の後ろにいる緑の人を指摘すれば友達になろうと言ってきたり、
向こうから友達になろうって言ったクセに、家族とのエジプト旅行から帰ってきたら突き放すような態度をされた時もあった。
だんだんと仲が良くなってきたと思ったら転校しちゃったり、
ついには、転校先で友達になったジョウタロウさんという人と旅に出てしまった。
彼が転校してから不定期に掛けてくる電話は"ななし?"から始まって、"またね"で終わる。
でも、最期だけは違ってた。
「帰ったらななしに…伝えたいことがあるんだ。
…絶対返って伝えるよ。約束する。」
そんなことを急に言うものだから、私はつい子供みたいに指きりげんまんのメロディーを口ずさむ。
すると彼はクスリと笑って「ばいばい。」で電話を切った。
そして、彼は約束通り帰ってきた。
―――冷たくなって帰ってきた。
花京院の葬儀のときに、彼と共に旅をしていたというジョウタロウさんに花京院の…最期を伝えられた。
そして、彼の私へ伝えようとした言葉も。
―もし、自分が死んでしまった場合は、ななしに伝えてほしい―
そう言って、ジョウタロウさんに言葉を託したらしい。
「…『絶対に』と約束したと、そう言っていた。」ジョウタロウさんはそう言った。だけど…
…花京院自身の言葉じゃなきゃ意味ないよ…
「ねぇ、また『ななし』って言ってよ…花京院…っ!」
おもちゃのでんわ
もう電話は彼へと繋がるコトはない。
→ おもちゃの電話:おまけ
※ギャグ注意