本編
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「あら~、ななしじゃない~。久しぶりねぇ。」
「こんばんわ。馬頭さん。お勤め、お疲れ様です。」
今日は定時に仕事を終わらせることが出来たので、久しぶりに馬頭さんに会いにきた。
牛頭さん馬頭さんとは門前で問題を起した人たちを引き取ったりしているうちに、交流が増えてプライベートでも飲みに行ったりする仲になった。
最近はそんなトラブルも少なく、私も勤務後は鬼灯さまの金魚草の世話などをしているために、なかなか会う機会がなかったんだけど。
「…あれ?牛頭さんは?」
いつも馬頭さんと一緒に門を守っている牛頭さんがいない。
三人で久しぶりにお話しようと思ったのに…
「牛頭なら、さっき鬼灯さまに連れられて行ったわよ。」
「鬼灯さまに?」
「なんでも、鍋の材料に牛頭の蹄が必要だとか。うらやましいわねぇ~、鬼灯さまからのお呼び出し。」
「今日呼び出しがなかったと思ったら、なにか作ってたんだ鬼灯さま。」
「えっ!?呼び出し!?ななしったらいつの間にそんな関係にっっ!」
「え…?いや、そういうんじゃなくってですね!」
何か勘違いしてる馬頭さんに詳しい話をする。
「なぁ~んだ、そういうコトなのね。…でも、それってフラグじゃない?」
「ふ、フラグ?」
フラグってなんのフラグだろう…下僕フラグ?
馬頭さんの言ってる「フラグ」の意味が分からず首をかしげる。
「んもう、とぼけちゃって。―それにしても、牛頭遅いわねぇ…呼びに行こうかしら。」
「あ、それなら私も行きますよ。帰り道ですし。」
そうして、牛頭さんを探しに一緒い歩いていく。
――と、割とすぐに牛頭さんを発見した。なんだか、大声で言い争ってる渦中にいる…なんだろう?
「牛頭~~ちゃんとお仕事なさってよぉ~~」
「アラやだゴメーン」
私たちに気がついた牛頭さんが近づいてくると同時に、言い争ってた二人もこちらに気付く。
言い争ってたのは鬼灯さまと白鐸さまだったみたい。
「あ、ななしちゃ~ん!」
白鐸さま…うぅ、気まずい…
「こ…こんにちわ、白鐸さま。」
「やだな~、緊張することないじゃない。ボクとキミとの仲なんだし。」
そういって私の肩に手を回す白鐸さま。
―うぅ、こういうの慣れないんですってば!
私が困惑していると、急に腕が引っ張られる感覚がして―
「まったく、貴方は本当に見境がありませんね。」
頭上から鬼灯さまの声がした。
心なしか、腕をつかむ力と語気が強い気がするけど、何か怒らせることをしちゃったのだろうか…。
近くから、牛頭さん馬頭さんのキャーキャーという声が聞こえて、今の私の状況を理解する。
「す…すみません!」
慌てて、鬼灯さまから離れる。
鬼灯さまは私をチラッと一瞥して、白鐸さまをにらむ。本当に仲が悪いみたい。
「まったく~、男の嫉妬は醜いよ?これだからドS頭でっかちは…」
「はぁ…私の部下にちょっかいを出さないで欲しいですね。」
部下?私、鬼灯さまの部下になった覚えは無いんだけど…
――はっ!まさかこれが、牛頭さんの言ってた「フラグ」!?
「あら、ななしっては、またいつものように一人の世界に入っちゃったわ。」
「ななしも罪作りなオンナねぇ…。」
私は、牛頭さん馬頭さんに声をかけられるまで、もんもんと考え続けた…。
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結局、牛頭さん馬頭さんとお話せずに帰ってきちゃった…!
2012/11/15