承太郎vs花京院
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「承太郎から聞いたよ。…キス…したんだってね。」
先こされちゃったなぁ。
その言葉とともに、顔に寂しそうに笑みを浮かべる典明。
生徒会の仕事が終わり、放課後の教室で待っていたのは少し思いつめた様な顔をした典明だった。
今日はまだ承太郎との恋人期間じゃなかったっけ?と問うと、ちょっとななしと話したいことががあったから、1日譲ってもらったとのこと。
話って何だろう?そう思っていると、先日のデートの事―承太郎とのキス―をいわれた。
私が悪いわけではないけれど、なぜか居心地の悪さを感じてしまい、目の前にいる典明の目を見ることができず俯く私。
気まずさから沈黙してしまっていたけれど、このままってわけにもいかないし……
『典明……あのっ――!』
何か言おうと口を開くと、
典明が抱きしめてきた。
「ななし、このまま聞いて…」
耳に典明の心地よい声が響く。
「いままで。僕は君との距離に満足していたんだ。
手を繋いで一緒に下校して、デートして…。
でも、この距離感がもどかしいと感じる時もあって…」
『うん…』
「でも承太郎は…承太郎はななしとの距離をあっという間に縮めたんだ…。
キスしたって聞いたとき…羨ましくて、嫉妬で狂いそうだったよ…。」
『典明……』
私の声を聴くと、典明が抱きしめる力を強くした。
「僕は君が…君が好きなんだ…っ!だから、もっと……
ふっと典明が離れたかと思うと――
彼の精鍛な顔が近づき――
夕日に照らされた私たちの影が重なる――
唇が離れ、また私を抱きしめる典明
"誰にも渡さない"…そういうかのように、力強く――
「もっと…僕に近づいてほしい…っ」
小さく懇願するように耳元で囁かれた声は、いつまでも私の心に残っていた。
2017/12/11
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