ゲームおたくで、幼馴染で
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僕、広瀬康一には悩みがある。
それは僕には解決できないものであるが、とても深刻な悩みだ。
この悩みを誰かに相談すべきか?そう思い、友達2人の顔を思い浮かべる…が、どうも解決はできそうにないだろうと頭を振る。
由花子さんに相談することもできそうにないし…(ほかの女性の名前を出すだけで、機嫌を悪くしてしまう)
こういうときは、海でも眺めて考えをまとめようと自転車を漕いだ。
海岸が見えるところまで来ると、見覚えのある長身の人影が。
「あ、承太郎さん!」
「…康一くんか。」
そこには、足元を見ながら佇む承太郎さんがいた。
そういえば仗助くんが、久しぶりに承太郎さんが日本に来るって言ってたっけ。
「何してるんですか?」
「ヒトデの生態を観察していた。」
そう言って、ヒトデへ向けていた視線を僕に向け、何かあったのか?と問う承太郎さん。
いつも頼りになる承太郎さんだけども、こんなコトまでも相談して良いものか…。
僕が悩んでいると、承太郎さんが口を開いた。
「…実は、康一くんに聞きたいことがある。」
「なんですか?」
吉良吉影のように、杜王町を脅かす新しいスタンド使いの情報かと身構える――が、それは杞憂に終わった。
「ななしを知っているか?仗助の友人の。」
なんて偶然なんだろう!僕も丁度彼女の―というか、彼女を取り巻く人間関係の―相談をしたかったところだ。
「はい。知ってますけど…彼女がどうしたんですか?」
「いや…間接的に彼女が関わっているだけで、彼女についての話ではないんだが…。」
承太郎さんはやれやれだ…と呟き、話を続ける。
「吉良の事件で協力してもらった、SPW財団の花京院を覚えているか?」
「あ、はい。」
「アイツが最近しきりにななしの話をするようになったんだ。」
「ここ最近…ですか?」
「ああ。何でも、ゲームセンターで知り合ったらしくてな。頻繁に会うようになったそうなんだが…
どうも、彼女の幼馴染の存在が気になるらしい。」
なるほど。承太郎さんは親友の恋路を応援したいみたいだ。
……と、ここで僕は今まで出てきたいくつかのワードが引っかかった。
…ゲームセンターで知り合う…ななしさんの幼馴染…
これは、僕の相談したかったコトも同時に解決するような気がする…
ハッとした僕に、心あたりがあるのかと承太郎さんが問いかけてくる。
「…たぶん、その幼馴染って先生のことだと思います。」
「先生…岸辺露伴のコトか?」
「はい。露伴先生も最近よくななしさんの話をするようになって…
その中で、ゲームセンターで知り合った男性の存在が気になっているみたいでした。」
「………」
承太郎さんが帽子を目深に被り、深いため息をついた。
世間はなんて狭いのだろう。ななしさんはスタンド使いではないが、スタンド使いを引き寄せる"何か"を持っている気がしてならない。
たぶん、承太郎さんも同じことを思っているのだろう。
お互いがお互いのライバルを知ったらどうなるだろう…
露伴先生はもちろん、花京院さんもおそらく、この想いを貫き一歩も譲る機はないだろう。ヘタしたらスタンドを出すかもしれない…。
まだまだ悩みは解決しそうにないと悟った僕は、承太郎さんの口癖を思わず呟きたくなった。
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2013/1/4
2018/10/4 改訂
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