ゲームおたくで、幼馴染で
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私は諦めていた。
ゲーマーな私にまさか…
ライバルが現れるなんて!
―いつまでもダラダラ居座られると仕事の邪魔だ。―
そう言われて、露伴に追い出されたのはついさっき。私は杜王駅近くにあるゲームセンターに来ていた。
こんな天気のいい晴れた日は、露伴の家で漫画を読むかゲーセンで遊ぶかに限る。
そんなわけで、一つ目の候補地を追い出された私は、第二候補地へと足を運んだのである。
『さてさてぇ~、今日はどの台からいこうかな…ん?』
格ゲー台が並んでいるエリアに向かうと、遠目からでも目立つリーゼントの青年がゲームをプレイしている。
『やほー。仗助くん。今日は一人?』
「あ、ななしさん!いや、待ち合わせっす。」
『待ち合わせ?ゲーセンで?』
「そうなんすよォ~!この前、対戦してボロ負けしたんで、リベンジマッチってトコっす。
今日こそは勝ってみせるっ!」
「…ふふ。僕も負けるつもりはないよ。」
仗助くんの対戦への意気込みを聞いていたら、後ろから聞きなれない声がした。
振り返ると優しそうな男性が立っている。
…この人が仗助くんの待ち人?
「待たせてしまったみたいで悪いね。えと…」
『私、名もなきななしっていいます!仗助くんの友達やってますっ!』
普段、狭いコミュニティーの中で生活しているので、初対面の人の前で声が裏返ってしまった…(若干、日本語もおかしい)
優しそうな男性はくすりとほほ笑んだ後(美人さんだ…)「僕は花京院典明。仗助君の友達やってます。よろしく。」とあいさつしてくれた。
「花京院さん!さぁ、リベンジさせてもらうっスよォ~。」
「手加減はしないよ、仗助くん。」
そう言って二人は対面台に座る。
100円を入れて、二人がゲームを始めた――
――結果は花京院さんの圧勝。
技を叩き込むタイミング。フレーム単位での対応もばっちり。
ガードも上手く、ダメージはほとんど受けていない。
是非とも対戦してみたい!
『あ、あの…私とも対戦してくれませんかっ?!』
興奮して思わず対戦を申し込む。(相変わらず、声は上ずったままだ)
すると花京院さんは、少し驚いてから嬉しそうな顔をして、名もなきさんもゲームするの?と訪ねてきた。
その問いに、私ではなく仗助くんが答える。
「ななしさん、カワイイ顔してえげつない強さなんスよ。花京院さんといい勝負なんじゃねぇかな?」
(わわっ!仗助くんにカワイイって言われちゃったよ!)
なんて思っている間に、仗助くんは対戦台から退いて、私に席を譲ってくれた。
私は対戦台に座り、ゆっくりと深呼吸……。
『よろしくお願いします、花京院さん。』
「こちらこそよろしく、名もなきさん。」
そして、
勝負が始まった――
――――――
勝負の始まりは恋の始まり
2018/10/4
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